【女性活躍時代の採用力】会社都合ではなく、いかに働く人たちが「自分で選べる、決められる、やりくりできる」という魅力を環境整備できるか。

最近、働く女性にインタビューする機会が増えています。

自社の事業開発のためのリサーチ、クライアントの業績UPのための顧客理解、採用力UPのための社員理解など、様々な目的で30代40代女性を中心にZoomインタビューが重なっています。

一人ひとりごとに、生活・家庭環境も、経済状況も、目指す自己実現も異なります。でも、全員ではないものの、結構な割合で共通点があることもわかりました。

今日は私が気づいた中から「採用」に役立つヒントをシェアしたいと思います。

「時間と場所の融通が効くこと」「自分でコントロールできること」

結論、ポイントは「時間と場所の融通が効くこと」「自分でコントロールできること」ではないかと感じています。

たとえば、インタビューした女性の中には、現在37歳、結婚して4歳と1歳のお子さんがいる方がいました。

彼女は出産する以前には、保育士、写真館勤務、人材紹介会社の採用担当の職歴があり。第1子の出産を機に仕事を辞めていました。

念願の第2子を出産した後に、相変わらず子育てや送迎は大変なものの、「私個人でも楽しみややりがいを感じられる仕事がしたい」と仕事探しを始めました。

「老後資金、子どもの学費、そして大好きな北海道や沖縄への家族旅行の足しにしたくて」「ものすごく収入UPしたいわけではなく、月20万円あれば十分なんです」という言葉もありました。

彼女は結局、採用支援会社の営業職を選びました。

子育て中の37歳女性「働き方を自分でやりくりできる」

数ある選択肢の中から、なぜその会社を選んだのか。その理由は、「時間と場所の融通が効くこと」「自分でコントロールできること」でした。

子どもを保育園に送り出し、在宅リモートで9時から仕事を始めます。

そして、午後3時頃になると、保育園から習い事先へ子どもを送迎し、夕食の準備や子どもの寝かしつけをします。

夜8〜9時から早くて11時、遅い日には夜中2時くらいまで自宅で翌日の提案資料を作ったり、販売商品の勉強をしたり。そんな毎日だそうです。

また、時間の折り合いが付けば、社内研修や客先訪問のために出勤もしています。

「めちゃハードですね。寝不足で大変じゃないですか?」と私が聞くと、「自分の好きな仕事だし、働き方を自分でやりくりできるので頑張れます」と。

リクルート出身の33歳女性「自分の裁量で思いっきり仕事したい」

リクルート出身、独身で営業職をしている33歳女性は、「自分の裁量で働きたい時、頑張らないといけない時は、思いっきり仕事したい。休む時はオンオフ切り替えて、しっかり休みたい。」と。

勤務時間は9時から5時だとか、決まった場所に必ず出勤しなければならないとか、会社の都合やルールにあれもこれも合わせなければならないとか。

これでは、ちょっとバランスが悪いと感じるそうです。

人材系ベンチャーの37歳女性「自分で決められるから続けられる」

私の妻の姉も、独身の37歳女性で、医療業界に特化した人材系ベンチャー企業で採用の仕事をしています。

彼女は朝5時に起きて、7時にはオフィスで仕事を始めます。最終面接以外は、基本オンライン。社内イベントや研修がなければリモート勤務。

夜に面接対応が入った場合は遅くなる日もありますし、逆に夕方4時くらいで仕事を終える日もあります。

求人にエントリーがあれば、週末でもスマホから返信対応をしています。

採用目標数字に責任感の強い彼女は、採用部署が人手不足なこともあり、ものすごく忙しそうです。

なぜ続けられるのか、頑張れるのかと質問すると、、

「夜や週末の対応があるのは仕方ない。その分、平日に早朝から仕事できたり、予定を自分で決めて早く帰ったり、出勤かリモートかも自分で決められるから、なんとかバランスが取れている。」と。

「ラクさ」が欲しいわけではない毎日の時間・場所を自分で選びたい

このように、私がZoomインタビューしている30代40代女性は、決して「ラクさ」を求めているわけではないと思いませんか?

確かに、たとえば「在宅」「フルリモート」は求人媒体やスカウトでも応募率・求人閲覧率をUPする鉄板キーワードです。

しかし、彼女たちは決して「仕事を頑張りたくない」「ラクして収入を得たい」「時短」「出勤なし」を本当に望んでいるわけではないのです。

バリバリ働いて収入UPしたい人も、家庭や子育て優先の人も、プライベート充実でオンオフのバランス派の人も、みな共通の価値観があります。

要するに「自分の生き方・働き方を自分で決めたい、コントロールしたい」ということです。

年間休日や有給休暇、手当じゃなく「毎日の働き方」が一番の問題

働く時間、働く場所を自分で選んだり、やりくりしたりする裁量がないということは、すなわち会社や他者が決めたルールや規則、規定の枠組みにあわせなければなりません。

しかしそれでは、もっと頑張りたいのに頑張れない、仕事を続けたいのに続けられない、という事態に陥りがちではないでしょうか。

年間休日が125日あるとか、有給休暇が取りやすいとか、各種手当が充実しているとか、そういう話でもないように私は思います。

サブ的・付属的な制度やオプションの話ではなく、毎日の働き方の問題なのです。そして、これは女性だけに限った話でもないと思いませんか?

会社の管理上の問題を気にする方もいるでしょう。おそらく「80:20の法則」の80が気になりますよね?

でも、80を懸念してスタンダードとした結果、パフォーマンスの高い20からは逆に敬遠されてしまうような設計になっていませんか?

会社側が用意したルールや規則、規定にあわせてもらうばかりでは、今後ますます採用は苦しいでしょう。

仮に提示する給与水準をUPしたとしてもです。

いかに働く人たちが「自分で選べる、決められる、やりくりできる」という魅力を提示できるか。一考の価値はありそうですね。

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