バーチャル・インフルエンサーの影響力!デジタルネイティブなZ世代には人間よりイマの方が真実味あり?年平均26%成長中のバーチャル・ヒューマン市場とは。

「リアルや存在って何なの?」
「何が本当で、何が信じられる?」

今日はそんな疑問を問う、最近のトレンド、バーチャル・インフルエンサーについて話します。

バーチャル・インフルエンサーとは

バーチャル・インフルエンサーとは、CG(コンピュータグラフィックス)で作られたインフルエンサーです。特に、デジタルネイティブなZ世代向けのマーケティングトレンドの1つです。

ブラジルや米国、日本などで、InstagramやTikTokを中心に、数十万から数百万人規模のフォロワーを持つスターが次々と登場しています。

バーチャル・インフルエンサーは、私たちの住むリアル世界に生身の人間としての姿形はありません。

しかし、たとえば、プラダのイベントでコンパニオンを務めたり、ファッション誌の表紙を飾ったり、PR案件の商品アイテムを実際に身につけて投稿したり、私たち人間がやるのと同じように仕事をしています。

もちろん現在では彼ら彼女らは勝手に動くということはなく、バーチャル・インフルエンサーを作り出した企業や人が意図を持って動かしているわけですけどね。

日本NO.1インフルエンサー「イマ」

日本の有名なバーチャル・インフルエンサーは、2018年に誕生した「イマ」。すでにInstagramで40万人、TikTokで49万人のフォロワーを抱えています。大半は、ブラジルや米国、インドなどの海外ファンだそうです。

東京パラリンピックの閉会式には巨大なイマの顔が登場しました。スポンサーやタイアップ、広告出演の仕事は、年間50件ほどあるそうです。

バーチャル・ヒューマンのメリット

バーチャル・インフルエンサーは、人間とは違い、感染リスクもなく、移動も必要なく、体調不良を起こすことも、待遇に文句や不満を言うこともありません。

人間の場合、商売っ気や投稿意図が露骨に見えると敬遠される、期待される人物像から外れる投稿があると裏切られたと感じられる、などのケースがあります。

スキャンダルで炎上するインフルエンサーも絶えない中、企業やブランドはリスクのない存在を欲しがっていました。

バーチャル・インフルエンサー、バーチャル・ヒューマンは、あくまでも作り出した企業や人の意図通りに動くものであり、期待を裏切ることも、スキャンダルを起こすこともありません。

年平均26%成長のZ世代マーケ

仮想現実スタートアップのAww(アゥ)の佐田晋一郎CMOは、「企業としてDXやメタバースに取り組んでいないと捉えられることは、もはやリスク。バーチャル・ヒューマンの起用でデジタルに目を向けていると若者世代にアピールできる」と。

ブラジルのボールド・クリエイターズ・クラブの調査では、市場規模は2018年時点の約5980億円から、2025年にかけて年平均26%成長の見込みです。

米メタは、バーチャル・インフルエンサーの公式認証バッジを付与することも始めました。

リアルとバーチャルの境界線

いま、自分が目の前で見ている人が、実世界に存在する人間か、バーチャル・ヒューマンか。何が本当か、何を信じられるか。リアルとバーチャルの境界線がますます曖昧な世の中になっていきそうですね。

最後に余談ですが、私のクライアントに地域密着で求人広告代理店・人材紹介ビジネスをやっている会社があります。

求職者を集めるためにLINEやYouTubeなどで動画配信していきたいが、社員を一般公開で露出させるのは会社としてリスクもあるし、嫌がる社員もいる、という議題も。

それなら、自社のバーチャル・ヒューマンを広告塔に立たせて、PR活動を任せてみるのもありではないかと感じました。