【差別化の罠】誰も言わないUSPの真実とは。独自の売りよりも、顧客の頭の中に"購入する決め手"を提示しよう。
「USPを見つけないと...」
「他社と差別化しなくちゃ...」
ビジネスやマーケティングの勉強をされている方なら、「USP(Unique Selling Proposition)」という言葉をご存知ですよね。
”他にはない独自の価値や売り”という意味です。
自社の商品サービスが顧客から注目されて選ばれるように、オンリーワンなポイントを推そうということ。
でも、USPについて、よくある間違いが3つあります。
◾️間違い1:顧客が求めていない
1つ目は、顧客が求めていないポイントでオンリーワンを推していること。
USPや差別化を意識するあまり、顧客目線やニーズからズレてしまっていないでしょうか。
価値や売りは、顧客が意識・無意識のどこかで欲しいと思っているポイントであることが前提です。顧客が望んでいないところで、独自ですよと叫んでも、価値にも売りにもなりません。
◾️間違い2:小手先のキャッチコピー
2つ目は、小手先のキャッチコピーだけで独自に魅せようとしていること。
これは悪い意味で攻めっ気が先行してしまっているWeb広告代理店や通販会社、ゴリゴリのセールスをやっている営業会社にあるケースです。
商品サービスの実態とは関連性が薄くても、とにかく言葉ひとつで顧客の興味関心を引こうとします。
USPや企画コンセプトのテストマーケとしてならば有りだと思いますが、実態が伴わない・リカバリーできる見込みがないのに、言葉遊びでUSPを打ち出すのは避けた方が良いでしょう。
◾️間違い3:USPをずっと変えない
3つ目は、一度決めたUSPをずっと変えないということ。
顧客に響く、響かないとは関係なく、顧客の意識は変化します。市場には競合他社や類似商品サービスも次々と出ては消えていきます。
私たちを取り巻く環境は、常に変化していることを忘れてはいけません。
以前はうまくいっていた独自の価値や売りも、競争相手の登場により真似されることってよくありませんか?独自ではなくなってしまうことありますよね。
変化に対応してオンリーワンであり続けられるように、USPにはブラッシュアップが必要です。
◾️「買わなかった理由」は宝の山
よくある間違いや失敗をせずに、あなたのビジネスや商品サービスのUSPを作るにはどうすればいいのでしょうか。
最もヒントになるのは、「買わなかった理由」です。
見込客が本当は欲しい・興味がある・買いたいと思っているのに、ある不安要素や不満点、ボトルネックがあるがために、結局買わないままでいる。
あるいは、顧客は実際に買っているとしても、妥協していたり、まぁ仕方ないと諦めていたりする不安要素や不満点、解消できていないことがある。
なぜでしょうか?何が原因で、買わなかったのでしょうか?
どんな不安要素や不満点、ボトルネックがクリアできなかったのでしょうか?
◾️「顧客の頭の中」がすべて
USPというと、競合他社や類似商品サービスが何を打ち出しているかを気にしがちです。確かに、市場や競合のリサーチは必要です。
でも、情報過多、選択肢過多、商品供給過多な時代に、顧客はすべてを比較検討するわけではありません。
厳密に、市場で唯一のオンリーワンな存在にならなくてもいい。顧客の頭の中で、オンリーワンであればいいのです。
「USP=顧客が購入する決め手」と考えてみてはいかがでしょうか。
隣近所が何をやっているかではなく、目の前の商談相手、目の前の顧客を調べてください。
新規商談で買わなかった顧客はいませんか?「買わなかった理由」をリストアップしてみましょう。買わなかった理由を解消する・反転させる方法を考えましょう。
それが、顧客にとってのあなたの商品サービスを選ぶ決め手、USPになります。