ユダヤの商法に学ぶ、時間をコントロールする3つの秘訣。日本マクドナルド創業者、藤田田氏の著書よりユダヤ人の時間意識とは。

昨日はリクルートトップパートナーの求人広告代理店への『BtoBマーケター養成ギプス』でした。

今年7月からプログラムが開始、12月で前半戦が修了します。社内マーケターを短期養成する実践型プログラムです。単なるお勉強や講座受講ではありません。

実際に現場で売れる仕組みを設計・構築・運用を「ひとりマーケ」として全部やる。チーム分担ではなく、一人ひとりが全部やる。

現場実務ファーストなスタイルのおかげで、毎週1時間の研修トレーニング+課題提出に必死です。

メンバー5名は、マーケの知識・経験・スキルゼロの状態でしたが、今では随分と頼もしく成長されています。ご本人たちの希望もあり、週末返上で復習や課題に取り組んでいるようです。

営業ファーストな会社にとって、社内にマーケターチームを作るのは簡単なことではありません。でも、従来のテレアポのように人海戦術・マンパワー依存の営業だけでは、持続可能な組織づくりにならない。

本気でマーケティングや売れる仕組みづくりに取り組みたい会社に、翼を授けるのが私たちの仕事です。ガイドコーチ役として、来年からの後半戦に向けて、ますます濃いプログラムを展開したいと思います。

◾️藤田田氏の著書『ユダヤの商法』

さて、今日は日本マクドナルド創業者、藤田田氏の著書『ユダヤの商法』より、”時間の概念”について3つの秘訣をシェアしたいと思います。

藤田田氏は、1926年の大阪生まれ。東大法学部在学中にGHQの通訳を務めたことがきっかけで藤田商店を設立。学生起業家として輸入業を手がけていました。

1971年、世界最大のハンバーガーチェーンである米国マクドナルド社と50:50の出資比率で日本マクドナルドを設立。銀座三越1Fに第1号店をオープン。

日本中にハンバーガー旋風を巻き起こし、わずか10年余りで日本の外食産業で売上1位を達成。

その後も、1989年、米国の玩具小売業トイザラス社との合弁で日本トイザらスを設立し、全国展開するなど、生涯起業家・実業家として成功された方です。

ソフトバンク孫正義氏が高校時代、『ユダヤの商法』を読んで感動し、藤田田本人にこれから何をするべきか助言を貰いに行った話は有名ですよね。

もともとなんの接点もなく、アポもとっていませんでした。

何度も通い詰めて、ようやく15分間の面談をこじつけた孫正義氏は、藤田田氏から「これからの時代はコンピューターだ」というアドバイスをもらいました。

そして「情報革命で人々を幸せに」という考えのもとに、ソフトバンクを創業し、成功して行きました。

藤田田氏の著書『ユダヤの商法』を読んだことがある方なら、わかるはず。

この本は、藤田田節が炸裂で、言葉遣いがかなり強めというか、単刀直入で刺激的な物言いにドキドキしながら読みませんでしたか?

私は大学時代に初めて読んだのですが、小心者の私には、電車内で読むにはちょっと人目を気にせざるを得ませんでしたよ笑

でも、初版から50年近く経っても、社長・起業家からバイブル本のように選ばれ続けているのは、ビジネスのコアをつかんでいるからなのでしょう。

そこで今日は『ユダヤの商法』より、”時間の概念”について3つの秘訣をシェアします。

◾️(1)辛抱よりも”見切り千両”

「ユダヤ人は、相手の気持ちが変わるまで、辛抱強く待つ反面、ソロバン勘定が合わないと分かれば、3年はおろか、半年と待たないで手を引いてしまう。」

藤田田氏曰く、ユダヤ人がある商売に、資金や人手を投入しようと決めると、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後の3通りの青写真を準備するそうです。

1ヶ月が経ち、青写真と現実の実績に乖離が大きくても、不安も動揺もまったく見せません。ドシドシと資金と人手を注ぎ込みます。

2ヶ月が経ち、やはり乖離が大きくても、ユダヤ人はより一層の補強投資をするだけです。

しかし、3ヶ月目に青写真に満たない場合、将来の商売の好転をはっきり予測できない限り、思い切り良く手を引くというのです。

3ヶ月で投資する資金やリソースを計画し、合格ラインとなる数字を定め、あらかじめ決めた許容範囲内で全力勝負するが、ダメなら潔く撤退するということです。

私たちはどうでしょうか?何か新規事業や新しい施策、新商品についてテストローンチ、テストマーケティング、テストセールスをする際に、”時間の基準”を設けているでしょうか?

いつまでに、どれだけの経営資源を投資して、合格ラインの数字はどこか。アクセルを踏むか、潔く撤退するか、その判断基準はあらかじめ明確になっているでしょうか。

◾️(2)時間は金なり、時を盗むな

「ユダヤ商法のエチケットを説いた格言といった方がいい。”時を盗むな”とは、1分1秒といえども他人の時間を盗んではならないことを戒めている言葉である。」

藤田田氏曰く、ユダヤ人は文字通り、”時は金なり”と考えているようです。彼らは常に”秒給”を意識して仕事しています。

あらかじめ決めた時間通りに仕事に取り組み、定刻や期限になれば仕事を終えます。時間を盗まれることは、ユダヤ人にとって金庫の中の金を盗まれることと同じなのです。

私たちはどうでしょうか?時間に対する価値認識をより一層高く持つために、どんな工夫ができるでしょうか?

これは、社長・リーダーのあなただけではありません。社員スタッフ、チームメンバー一人ひとりの時間も同じです。

時を守るために、全社・事業部全体・チーム全体でどんな共通認識や方針を定めるべきでしょうか?

◾️(3)不意の客は泥棒と思え

「”時を盗むな”がモットーのユダヤ人にとって、アポイントのない相手の不意な訪問には絶対に応じない。」

藤田田氏曰く、”アポイントを取れ”ということです。何月何日の何時から何分間、と明確に決めることです。

あたり前に思えますよね?でも、徹底するのは、結構難しいと思いませんか?

私は今でもあるのですが、たとえば15分間で十分なオンラインMTGに30分間も枠を取ってしまって、時間の使い方や見積もり方が下手くそだなと日々反省しています。

”アポイントを取れ”とは、来客や商談、会議だけではありません。あなたや社員スタッフ、チームメンバーのタスクも同じです。

1日の時間の使い方を、時間割のようにあらかじめ決めておくことです。何時から何時の何分間で、何のタスクをどこまでやりきるか。

なんとなく成り行きで仕事をこなすのではなく、時間割をみっちり組んでおく。時間割通りに実行完徹することに全社全員がコミットする。互いの時を守り合う。

そう考えると、メンバーが集中アウトプットしている時に、上司が不容易に”今ちょっといい?”みたいな声をかけることが、いかに邪魔かがわかりますよね。部下の大事な時を盗んでいるのです。

以上、藤田田氏の著書『ユダヤの商法』より、”時間の概念”について3つの秘訣をシェアしました。

ユダヤの商法というと、儲け方がクローズアップされやすいですよね。ぜひ読み返す際には、今日解説した”時間の概念”もスルーせずに確認してみてくださいね。