テストマーケティングすれば、答えはすべて市場や顧客が教えてくれる!失敗や恥よりもスピードの遅れこそ致命傷

九州の医療機器販売の代理店をやっているクライアントの話です。

私たちはいつも通りのステップに沿って、売れる仕組みの戦略立案からプロセス設計までを組みました。そして、必要な制作物やツール導入、社内の段取りを2週間くらいでサクッと終えました。

「さぁ、いよいよGoogle広告を出稿だ!」となるはずでしたが、当初は乗り気だったクライアントが急にしぶり出すのです。毎週の定例MTGで話し合っても、なかなか最終GOが出ません。

それどころか、「やっぱり今後に向けて動画も作っておきたい」「別の営業活動に必要なチラシも新しく作りたい」と話をそらし始めます。

売れる仕組みの本筋がまったく稼働し始めない一方で、本筋とは関係がない制作物や作業を新しく増やそうとするのです。クライアントは結局、そこから7週間ほど、なにも動きませんでした。

"テストマーケティング"の感覚

ようやく本心を話してくれたのですが、「うちの会社はね、ずっと飛び込み訪問とか泥臭い営業で成り立ってきたから、マーケティングや広告がうまくいくか自信がないんだよね」と。

気持ちはすごくわかります。そして、これは結構よくあるケースなんですよね。

営業一本でやってきた会社ほど、広告宣伝費は費用、コストだと思っているんです。本当は投資なんですけどね。大事なお金が消えてなくなるような感覚、捨てるような感覚すらあるかもしれません。

要するに、得体の知れないものが怖い、失敗したらどうしよう、うまくいくイメージが湧かないという感覚だと思います。

「だから、小予算でテストしてうまくいく可能性があるか確かめましょうよ」と私は話してみるのですが、結局、話を通すのにさらに3週間ほどかかってしまいました。

答えはすべて市場や顧客が知っている

マーケティングは、どれほど素晴らしい戦略や作戦を喧々諤諤と議論したところで、最終的な答えはすべて市場や顧客が持っているもの。

実際に市場や顧客に問うてみれば、「それは違うよ」「それはいいね!」と反応が返ってきます。数字もわかります。だから、さっさと市場や顧客にどんどん問えばいいのです。

ある程度の企画や方針を固めたら、それ以上議論や検討を続けていても、時間がもったいないです。なぜなら、どれほど時間をかけたとしても、自信や納得のいく答えには辿り着くことはないからです。

商品サービスとして売れる見込みがあるかどうか、新規参入すべきかどうか、Web広告などでテストマーケティングしてみれば、ほんの数日で確かめられますよ。

売れない=失敗・恥ではない

仮に見込みがなかった、売れなかった、反応がほとんどなかったとしましょう。果たして、それは失敗なのでしょうか。

ファーストリテイリング柳井正会長の著書『一勝九敗』のように、新商品サービスや新規事業、新規集客なんて、成功率10%や20%もあれば良いほうです。どんな会社の、どんなビジネスの、どんな商品サービスだとしても、成功率はほぼ同じ。

だったら素早く5回10回とテストマーケティングをまわして、あたりを出るまでどんどんクジを引けば良いと思いませんか?会議での議論検討をどれほど重ねても、成功率がUPすることはありませんよ。

成功率をUPする唯一の鍵は、さっさとテストマーケティングして、市場や顧客へ答えを問うこと以外にありません。現場、実地での検証がすべてです。

見込みがなければやめればいい。見込みがあるなら伸ばせばいい。

スピードの遅れこそ致命傷

ダメなら潔く撤退して、次のチャンスを見つけてGOすればいいんです。それは、失敗でも恥でもありません。会社として突破口を探るための必要な投資であり、成功への必要なプロセスです。

たいていのケースでは、ほんの数日や数週間、ほんの10万円や20万円で、市場や顧客からの答えはわかります。

意思決定や実行スピードで、大手競合を凌駕しなければならない中小ビジネスやスタートアップにとって、スピードの遅れは致命傷です。

うまくいくかと議論検討、自信がないと躊躇している時間こそ、ビジネス上の損失であるという感覚でどんどん行きましょう!