食べログに賠償命令をどう思う?経営を他社に依存していた社長の力量こそ問題

食べログに賠償命令が出ましたね。評価点や表示順位を決めるアルゴリズムを変更したことで、売上が減少した焼肉・韓国料理チェーン「KollaBo(コラボ)」を展開する「韓流村」が2020年5月に訴訟を起こしました。

訴訟では、アルゴリズムの変更が、独占禁止法で禁じている地位を利用して取引相手に不利益を与える「優越的地位の乱用」などに当たるかが争点でした。

「食べログの有料会員登録をする店の地位継続が困難になれば経営上大きな支障を来たす」「カカクコムが不利益な要請を行っても、飲食店側が受け入れざるを得ない立場である」ということで優越的地位にあたると認定したようです。

食べログは今回の判決を不服として、すでに控訴を決定しています。

皆さん、このニュースや判決について、どう思われますか?韓流村に賛同や同情をしますか?私はしませんね。

確かに、グルメサイト上での評判や表示順位は、新規集客面では大きな影響を及ぼすことは理解できます。食べログはグルメサイトの中でもかなりの影響力がありますよね。

だから、食べログに想定外の勝手なことをされたら困るんですよ、という気持ちはわかりますよ。商品サービスはお客様のためにある、だからお客様である掲載店舗に経営上マイナスなことをするのってどうなんですか、と言いたくなる気持ちもわかりますよ。

でも、そもそも食べログやグルメサイトに、新規集客どころか、経営を丸っと依存している状態というのは、かなり脆弱だと思いませんか?食べログじゃなくても、どんな業種業態だって、いつでも起こりうることですよね。その想定はなかったんでしょうか?

たとえば、うちの会社やクライアントは、Facebook広告やYouTube広告をよく利用しています。広告最適化のアルゴリズムなんて、なんの事前告知もなく、ころころ変わります。その度、パフォーマンスが急に上がったり下がったりと上下動します。困りますよね?

Googleの検索エンジンだって同じです。上位表示のためのSEO対策なんてあてになりません。雑誌やWebメディアでも広告面の仕様が変わることなんて、いつだって起こりうることです。

でも文句言って、なんか意味あるんでしょうか?だって、私たちの所有物じゃないんですからコントロール効かないですよね?誰かが私たちに約束や保証をしてくれるような類のものじゃないんです。

広告媒体やプラットフォームがいかなる理由であれ、変更や改善を加えたことによって、私たちの新規集客力がダウンしたとしても、最終的には新規集客や経営を他社に依存している自己責任です。

食べログの問題じゃない、社長の力量の問題だと私は考えます。

別に肩を持つ気はありませんが、食べログを運営するカカクコムは、飲食店と出会いたい消費者ファーストのためにアルゴリズム変更したわけですよね。

韓流村は不利益を被ったと言いたいでしょうが、一方では利益を得るであろう飲食店、より良い飲食店に出会えるようになったと喜ぶ消費者も同時に存在することを忘れてはいけませんね。