サブスクを成功させる3つの仕掛け!私がサザコーヒー「徳川将軍珈琲」を続ける理由とは。

昨日に続いて、サブスクの話です。

継続課金や会員制サービスなどのサブスク・モデルを成功させる鍵として、昨日は以下の3つをシェアしました。

(1)誰に向けてサービスを提供するか
(2)いかに少なく厳選して提供するか
(3)いかに替えの効かない存在になるか

これらは、どちらかというと、戦略レベルでの話でしたよね。

今日はもうちょっと戦術レベルの視点から、サブスク成功の鍵を紐解いてみましょう。

広告宣伝費が回収できない?

サブスクや定期購入、継続課金型の商品サービスや会員制度にチャレンジしている会社が増えていますよね。

でも、たくさん広告宣伝費をかけて新規客を獲得しても、継続してくれない、すぐに辞めてしまう。その結果、広告宣伝費が回収できなくて、ビジネスとしてうまくいかない。そんな経験をされている方、いるんじゃないでしょうか。

そこで、今日は、顧客継続率を伸ばすための戦術について解説します。

サザコーヒー「徳川将軍珈琲」の事例

さて、3つの仕掛けを話す前に、なぜ私が今日のテーマを話そうと思ったのか、今日ご紹介するアイデアに気づいたのか、というエピソードから少しだけ話します。

皆さんは、美味しい珈琲は好きですか?私は好きです。

毎朝起きて、お気に入りの豆を挽き、珈琲を飲むのはモーニングルーティンの一つ。「よし、今日もやるぞ!」とエンジンをかける儀式のようなものです。

茨城県勝田市のJR勝田駅から徒歩5分にあるサザコーヒーから、私のお気に入りの豆を毎月届けてもらっています。定期便ですね。

豆の名前は「徳川将軍珈琲」。

サザコーヒーは徳川に所縁のある水戸に近く、徳川慶喜が飲んでいた、当時はまだ珍しかった珈琲を再現したいという創業者の想いからプロジェクトが始まり、将軍珈琲が誕生したそうです。

深煎りでかなりの苦味があり、後味には浅煎りのようなフルーティーさが広がります。砂糖もミルクも入れません。ブラックで飲みます。

なぜ顧客フォローなしでも継続するのか

なぜ、私は将軍珈琲を続けるのでしょうか。

サザコーヒーの定期便は、もう何年も続けています。まったく同じ豆が毎月届けられます。

顧客フォローのステップメールもありません。凝った同梱物で継続した場合のメリット訴求もありません。解約防止の電話もかかってきません。何回続けようが特典プレゼントがもらえることもありません。

強いて言えば、週2−3くらいでメルマガが来ているくらいでしょうか。でも、定期便の継続促進を目的とする内容でもありません。

なぜ私は、ずっと続けるのでしょうか。自分自身の心理を分析してみた結果、3つの仕掛けが見つかりました。

仕掛け①: ストーリーのちから

最初に私がサザコーヒーの存在を知ったのは、テレビ東京のカンブリア宮殿でした。

サザコーヒーの創業秘話と想い、後継者である息子さんが世界中を飛び回って豆を調達する様子、将軍珈琲が生まれた背景...

豆自体の産地や特徴、美味さではなく、ストーリーを通じて価値を売る。そのストーリーはたいてい、創業者や息子さん、徳川慶喜など、人間にまつわるもの。

同じ人間、同じストーリーは、世界に二つとありません。時間を超えて、オンリーワンなものです。

競合も真似できません。同じ商品サービスはもしかしたら作れるかもしれませんが、まったく同じストーリーを真似することは不可能です。

ストーリーに触れた時、私の中で珈琲豆がもはや珈琲豆ではなくなります。それは歴史であり、人間の生き様なのです。誰かが懸命に生きた証を飲んでいる、くらいの感覚です。

ストーリーに心を奪われると、ちょっとやそっとのことでは他へ目移りできませんね。

仕掛け②: ネーミングのちから

「徳川将軍珈琲」って素敵な名前ですよね。

商品サービスの企画コンセプトを表現するネーミングは、理屈抜きに、一目で印象やイメージを決めてしまう力があります。

普通、珈琲というと、フレンチローストとか、ハウスブレンドとか、焙煎の仕方や豆の産地、種類をそのままネーミングやパッケージにすることが多いと思いませんか?

でも、「徳川将軍珈琲」はどうでしょう?焙煎の仕方や豆の産地、種類を一切なにも語っていませんよね。パッケージにもなにも書いてありません。

1つ目の仕掛けで話したストーリーや商品サービスの企画コンセプトを表現したネーミングによって、その他大勢の類似商品とは別モノであることを訴求することができます。

ネーミング一つで、ストーリーを忘れさせない効果もありそうですね。

仕掛け③: 習慣のちから

PROFIT ENGINEをはじめ、社員・メンバーとともに、複数の教育出版、メディア、通販事業を運営しています。

社員スタッフから「この人と一緒に仕事したい」、お客様から「このブランドと繋がっていたい」と思ってもらえるような社長、人間になれるように、いつも自己を鍛練しなければと思っています。

まだまだ至らないところ、カッコ悪さ、失敗もたくさんあるのですが、誰かに役立てるような、より良い仕事ができるような人間を目指して、あーかなこーかなと日々もがいています。

社長として、プロのマーケターとして、一人の人間として成長するためには、私は習慣やルーティンのちからをとても重要視しています。きっとあなたも同じですよね。

毎朝、「よし、今日もやるぞ!」とエンジンをかけるためのモーニングルーティンの一つとして、珈琲はもともと組み込まれていたのです。

事実、サザコーヒーに出会う前は、カルディの店舗で珈琲を買っていました。とても美味しい珈琲でした。

でも、将軍珈琲に出会って、すでに私の中に存在していた習慣やルーティンの構成要素を、カルディからサザコーヒーへスイッチしようと決めたわけです。

「毎朝珈琲を飲む」という習慣を持っていない人に、毎朝珈琲を飲む意味や効果を伝えて、新たな習慣を取り入れてもらうプロモーションもあれば、すでに習慣を持っている人にスイッチしてもらうためのプロモーションもある。

ターゲットや訴求ポイントごとにプロモーションを区別して展開してみると、どのターゲット向けの、どんな訴求が継続率が高くなるのか、検証することができますね。

ビジネスの長期的な安定成長のための最重要ポイントである、一度ご縁をいただいたお客様に長くご愛顧いただくためには、いったいどうすればよいのか。

頑張ってフォローしなくても、そもそもリピートしやすい仕組み、サブスクや定期便を継続いただきやすい仕組みを、いったいどうやって作ればいいのか。

今朝、珈琲を入れながら、気づいたポイントをシェアしました。ぜひ参考にしてみてください。