年収500万円で5人雇うか、年収2,500万円で1人雇うか。経営やマネジメントの難易度を上げない方法とは。

今日は、「最少の社員数と働く時間でビジネスを伸ばす方法」について話します。

いま、あなたが会社経営をされていて悩まれるポイントは、だいたい次の3つではないでしょうか。

(1)資金繰り、資金調達の悩み
(2)営業やマーケティングの悩み
(3)人や組織づくりの悩み

この中でも、3番目の人の悩みは、社員を一人でも雇用したことがある方なら、心当たりがあるのではと思います。私もまったくの例外とは言い切れません。

悩みを完全に解消することはできませんが、工夫できることはあります。

それは、そもそもビジネスモデルの企画設計段階、本格的に事業をスケールさせる前の段階で、人や組織づくりが事業成長の障害になりにくいように組み立てておくことです。

かなりストレスが少なく、スムーズに事業を伸ばしていけるでしょう。

◾️経営の難易度を上げない工夫

まず前提として押さえておきたいんですが、社員を雇っちゃダメだという意味じゃないんです。

PROFIT ENGINEのメルマガ読者の皆さまの中には、すでに会社経営をされていて、社員を何人、何十人、何百人も雇っている方もおられます。

ただ、基本的な発想として、できるだけ少ない社員数・働く時間でスケールできるシンプルなモデルを目指したいものです。1つのビジネスや事業チームごとに、片手でおさまる程度の少人数で年商1億円、5億円、10億円と伸ばしていきたい。

なぜなら、人数が増えるほど、単純に経営が複雑で難しくなるんです。大企業みたいなことをやらないといけなくなるんです。

社内手続きや稟議書などの書類作成も必要になる。無駄な会議も増えがち。連携コストもかさみます。人事評価制度や昇進昇格も考えなくちゃいけない。人が増える分だけ人間関係のフォローやトラブルも増えるでしょう。

それが、会社経営だ、ビジネスだと言われれば、うーん、まぁ確かにそういう面もあるかもしれません。

確かに経営哲学の大家、ピーター・ドラッカー氏も「マネジメントとは人のことである」と言っています。経営とは人づくりであり、適材適所、人材育成であるという考えもあります。私も100%同意です。

しかしだからといって、社員数やマンパワーありきのビジネスモデルを選ばなければならない理由にはならないと思いませんか?

たくさんの人手や働く時間ありきの商品サービスの提供方法、営業やマーケティングのやり方を選択すべき理由にはならないと思いませんか?

◾️人件費2,500万円をどう使うか

そして、シンプルでスケールしやすいビジネスを選択することに加えて、もう1つあります。

それは、年収500万円で5人雇うよりも、年収2,500万円で1人雇う方が、ビジネスの成長速度は圧倒的に早いということ。アマチュア選手を5人雇うよりも、一流のスタープレーヤーを1人雇う方を選ぶということです。

なぜなら、5人をマネジメントするよりも、1人をマネジメントする方が簡単だからです。現場の把握や進捗管理、会議や書類、やりとりの回数も少なく済みます。

さらに、もっと重要なことは、スタープレーヤーを1人雇うだけで、あとは全部やってくれるんですよね。

実行スピードが圧倒的に早い。勘所も心得ている。わからないことがあっても、いちいち止まらず、自分の頭で考えることができる。いちいち指示しなくても、自助努力でなんとかできる。

でも、アマチュア選手5人は、そうはいきませんね。

自助努力で壁を突破する力もまだ弱い。いちいち指示伝達しなければわからない。人数が多いのでマネジメントに手間も手間もかかる。そのわりに、なかなか現場が動かない、物事が進まない。成功・失敗以前のステージで止まりがちなのです。

大企業ならまだしも、中小企業やスモールビジネス、新規事業でスピードの遅れは致命傷です。

だから、5倍10倍の高給を払ってでも、少人数のスタープレーヤーを雇う方が、最少の社員数と働く時間でビジネスを伸ばすには賢明な選択であると私は考えています。

もちろんビジネスモデルや戦略によって異なるので、一概には言えません。

でも、経営やマネジメントの難易度を意図して上げない工夫は、考える価値があるテーマではないでしょうか。

特に、今後の日本では、社員数と働く時間ありきのビジネスは、安定した人員確保が厳しいので、なおさらです。