Appleやキーエンスの営業利益率はなぜ高いのか。スマイルカーブ理論で儲かる会社をつくろう。

今日は、社長が守るべき戦略的方針について話します。

PROFIT ENGINEでは、働く人や時間を最小化しながら、長期安定成長できる収益性の高いビジネスをつくる方法について、社長・事業主の皆さんへシェアしています。

毎月発行『売れる仕組み戦略レポート』のうち、セールスプロモーション編とマーケティング戦略編の2つでも、具体的な考え方・やり方を事例とともに共有しています。

今日は、売る商品についてはどうすればいいのかについて話します。

◾️スマイルカーブ理論とは

結論から言えば、「商品企画はやるけど、商品制作はやらない」という考え方がオススメです。

あなたは「スマイルカーブ」という理論をご存知でしょうか?

主に製造業における業務プロセスごとの付加価値率(≒粗利率)を整理したものです。グラフがスマイル形になっていることから「スマイルカーブ」と呼ばれています。

スマイルの左端は、「企画コンセプト」「ブランディング」「全体設計」です。

スマイルの右端は、「セールス」「顧客サポート」「マーケティング」「役務提供/流通」です。

もっと簡単にまとめるなら、左端は「商品ブランド企画」、右端は「集客販売・運営」です。これらは、付加価値が高い、すなわち粗利率の高い領域です。

一方、スマイルの真ん中「商品製造・制作」は、最も付加価値率の低い、利益を稼ぎにくい領域です。

日本の製造業においては、大手の下請けとして、商品製造・制作を担っている会社が多いのが実情です。そのため、スマイルカーブ理論の左側または右側に舵を切り、いかに付加価値の高い領域へビジネスを転換させるかを考えます。

たとえば、スマイルカーブの考え方を一度理解すると、MacbookやiPhoneでお馴染みにAppleがなぜ儲かるのかがよくわかります。

Appleは商品の製造を台湾や中国の企業に外注しています。儲からない領域は捨てて、儲かるスマイルの両端に資源を集中させているんです。

営業利益率が日本トップクラスに高い、キーエンスも同じ。製造業なのに、自社で製造組立をしないメーカーのことを、ファブレスメーカーと言いますね。

◾️商品企画はやる、製造制作はやらない

このスマイルカーブは、製造業だけに限った話ではありません。私たちのビジネスのつくり方・運営方法にも応用することができます。

結論、私たちもファブレス経営を戦略的方針として貫いています。

私たちは現在9つのブランドを展開していますが、スマイルカーブの中央は真っ先に手放します。

「商品ブランド企画」「集客販売・運営」は、まさに私たちのビジネスにおける中心的な仕事。付加価値率の高い、利益率の高い仕事に、人や時間を全集中させます。つまり、スマイルの両端です。

商品を企画し、セールス・マーケティング活動によって販売して、顧客に価値を届けます。これが、私たちがやるべき仕事です。

でも、企画した商品を製造組立することは、ごく一部の例外を除いては一切やりません。

自動車にたとえるなら、顧客が求めている自動車とは何かを調べ、考え、設計図を描きます。売るのも届けるのも私たちです。しかし、実際に自動車そのものを、工場で製造組立するのは私たちではありません。

私たちは方針として、付加価値の低い業務領域に人や時間を使わない、という考えを貫いてきました。小さな会社が、スマイルの全てを自力自前でやるのは、経営の難易度が上がり、複雑になりがちだからです。

さらに、経営資源も初期投資もたくさん必要になり、みな忙しく働いているわりに、あまり儲からないという状況を避けるためでもあります。

スマイルの中央にあたる業務は、他社・他人の力を借りまくる、という方針を貫いてきました。

◾️あなたが目指す理想のビジネスとは

あなたは、どんなビジネスの状態、会社の状態を理想としていますか?

私たちPROFIT ENGINEと同じように、働く人や時間を最小化しながら、長期安定成長できる収益性の高いビジネスを目指しますか?

それなら、何を自社でやるべきか、やらないべきか。何を手放し、何に集中すべきか。どこが儲かる仕事で、どこが儲からない仕事か。

スマイルカーブ理論をにらめっこしながら、あなたのビジネスは今、どこを手がけているのか。本当はどこをやりたいのか。

考えてみる価値は、かなりあると思いますよ!