【静かな営業①】口ベタ、人見知り、あがり症でもリクルートNO.1になれた内向型営業の秘密/サイレントセールスの専門家 渡瀬謙氏

営業が苦手でもトップセールスになれる理由とは?

「口べたで人見知り、内向的で営業なんて無理だ」と感じている人は多いかもしれません。しかし、営業という職業は必ずしも全員が得意である必要はなく、むしろ自分に合ったスタイルで成績を上げることができる場合もあります。

実際、かつて「営業なんて無理だ」と思っていた一人の男性が、営業成績0から4ヶ月でトップセールスに駆け上がり、今では営業トレーナーとして数千人以上を指導する立場に立っています。

その秘密を探ると、実は「喋らなくても売れる営業」が存在することが分かります。

口べたな人こそ、静かな営業が向いている

この成功を収めたのは、元リクルートで働いていた渡瀬先生です。彼は、幼少期から口べたで、人と話すことに苦手意識を持っていました。

大学卒業後もその性格は変わらず、「営業」という仕事に対しても、最初から自分には向いていないと感じていました。

しかし、営業職に就くことで「強制的に人と喋ることになり、鍛えられるのではないか」という希望を持ち、チャレンジを決意しました。

渡瀬先生が初めて営業職に就いたのはリクルートでのことでした。

最初の頃、営業フロアには明るく、社交的な営業マンが多く、みんなが元気よく話し、次々と成果を上げていく様子を目の当たりにしました。これに影響されて、渡瀬先生も自分を変えなければならないと思い、「喋りのスキル」や「笑顔」を練習しました。

しかし、半年間試してみたものの、成績はゼロ。営業成績が上がらず、むしろ周囲との差に悩んでしまいました。

失敗から学んだ「静かな営業」の秘訣

この「ゼロ」の状態が続いたとき、渡瀬先生は一度諦めかけました。しかし、リーダーからあるアドバイスを受けることで、劇的な転機を迎えます。

それは、「あなたは明るく喋るタイプではないから、静かな営業を試してみてはどうか」というものでした。最初は驚きましたが、その後、リーダーの実践を見ていくうちに、自分に合った営業方法が見えてきました。

リーダーは、営業マンのように大きな声で話したり盛り上げたりすることなく、静かに、淡々と仕事をこなしていました。この姿勢に感銘を受けた渡瀬先生は、自分も「喋らなくても売れる方法」を試してみることを決意しました。

そして、その結果、営業成績が急激に向上し、わずか4ヶ月でトップセールスに輝くことができたのです。

喋らなくても売れる営業の3つの柱

渡瀬先生が確立した「サイレントセールス(静かな営業)」には、3つの重要なポイントがあります。それは、以下の3つです。

  1. 自分が喋らない
    営業マンが自分から多くを喋らなくても、営業は成り立ちます。むしろ、話すことが苦手な人ほど、この方法が効果的です。営業で重要なのは、商品やサービスを売り込むことよりも、相手が抱える問題やニーズを引き出すことです。そのため、まずは自分が喋りすぎないように意識することが大切です。
  2. 相手に喋ってもらう
    営業は一方的に売り込むものではなく、相手との対話を通じて、相手がどのような課題やニーズを抱えているのかを引き出すことが重要です。相手が話すことによって、情報が得られ、さらに相手もリラックスし、営業マンに対して警戒心を持たなくなります。つまり、相手に喋らせることが、営業の基本なのです。
  3. 物で見せる
    喋らずに商品やサービスの良さを伝える方法として、データや数字、ビジュアルを活用する方法があります。言葉で説明するよりも、視覚的に示すことで、より説得力が増します。例えば、商品の特徴や効果を数字や実績で示すことで、相手に強い印象を与えることができます。営業トークで「この商品は素晴らしい」と伝えるよりも、実際のデータや事例を見せる方が、はるかに信頼感を高めることができるのです。

営業の成功には「聞き方」が重要

静かな営業を実践する上で重要なポイントは、相手の話をよく聞くことです。相手にたくさん話してもらうことで、相手の気持ちや状況を理解することができます。

また、聞き手に回ることで、相手もリラックスし、営業マンに対する警戒心が薄れます。営業を成功させるためには、話すよりも「聞く」ことが非常に大切です。

営業が苦手な人にもできる理由

渡瀬先生の例からも分かるように、営業が苦手な人でも自分に合ったスタイルで成功を収めることができます。

特に、口べたな人や内向的な人は、無理に営業マンらしく振る舞おうとするのではなく、自分の強みを活かして「静かな営業」に徹することで、十分に結果を出せるのです。

営業は「売ること」だけではなく、相手との信頼関係を築くことが最も重要です。そのためには、無理に喋ろうとするのではなく、相手の話をよく聞き、データや実績を見せることが効果的です。

自分の性格やスタイルに合った方法で営業を行うことで、営業成績が伸びるだけでなく、より楽に、そして自然に成果を上げることができるのです。

これから営業を始める方や、営業が苦手な方は、自分のペースで、相手のペースを大切にした営業方法を取り入れてみてください。

「静かな営業」こそが、あなたの強みを最大限に引き出す方法かもしれません。