SBI流・勝利の方程式!SBIホールディングス傘下の新生銀行が、定期預金の金利10倍に引き上げ
SBIホールディングスの傘下にある新生銀行が、定期預金の金利を10倍に引き上げるそうです。預金者を囲い込み、一気に顧客基盤を拡大したい狙いです。
もともとソフトバンクと言えば、圧倒的に魅力あるオファーで、先行者や大手競合をあっという間に抜き去り、NO.1ポジションを取りに行くのがお家芸ですよね。
YahooBBのモデムを3ヶ月無料と駅前で配りまくっていた頃、私はちょうど大学生でした。ソフトバンクモバイルの時は、基本料金が当時業界最安値の980円でしたね。
SBI証券は、株式売買委託手数料が完全に自由化された1999年に創業し、2001年に手数料の引き下げ競争を仕掛け、2002年にはネット証券で首位の座に上り詰めました。
価格設定を業界最安水準にするなど、市場や見込み客だけでなく、競合他社すらも思わず目を疑うほどの強烈なオファーで、顧客基盤を広げてきました。そして、クロスセル、アップセルにより後から利益を確保するという仕組みです。今回の新生銀行でも同様の勝ちパターンで攻めるようですね。
「キャッシュ耐力があるから、資金調達力があるからできること」と他人事で片付けるには、ちょっともったいないです。これは、私たち中小ビジネスにも応用できる戦略ですよ。
抑えておきたいポイントは、顧客獲得する商品サービスと、利益確保する商品サービスの区別。マーケティング用語では、前者はフロントエンド商品や集客商品と呼び、後者はバックエンド商品や利益商品と呼びます。
顧客獲得には、いろいろな成功パターンがありますが、一番わかりやすいのは、SBIのように強烈なオファーをつくること。顧客獲得の時点では、短期の利益確保はいったん忘れるくらいでちょうど良いです。顧客も欲しいし、利益も欲しいなんていうのは、ビジネス運営側の勝手な思惑ですから。
市場や見込み客は複雑でわかりにくいもの、説明を聞かなければ理解できないような違いには、そもそも興味を示してくれません。気づいてもくれません。寝ぼけていてもわかる、秒で興味をひけるくらいシンプルかつパワフルであることが鍵です。
オファーが十分に強烈かどうかをチェックする1つの方法は、社内メンバーから「えっ!? それはありえないでしょ、だって...」と反対意見、できない理由が殺到するかどうか。
「あぁ、それくらいならいいですね」なんてあっさり賛同されるようなオファーは、市場や見込み客視点では、気にもされずにスルーされるのがオチですから。
常識の壁を超えていきましょう。