【売れる営業のルール③】デジタル時代の新規営業攻略の鍵はアナログツールにあり/訪問しないで売る営業の専門家 菊原智明氏

新規営業を成功させる「アナログ×デジタル」営業メソッド

営業活動の中でも、特に難しいのが「新規開拓」です。新たな見込み先を見つけるために、テレアポやウェブマーケティングに力を入れている企業は少なくないでしょう。

しかし、これらの方法は効果が現れるまでに時間がかかることがあり、営業担当者は疲弊しがちです。

そこで、今回は「アナログの力」と「デジタルの効率」を組み合わせた新しい営業メソッドをご紹介します。これを取り入れることで、営業成績を早期に向上させることができるかもしれません。

成功する営業に必要な「顔を見せる」手法

最近では、デジタル化が進む一方で、アナログの営業手法が再評価されています。

例えば、DM(ダイレクトメール)やはがきなど、物理的な手段を活用することで、競合他社よりも目立ちやすくなるのです。デジタル化が進む現代において、はがきや手紙などのアナログツールは、逆に注目を集めやすくなっています。

アナログのツールの中でも効果的なのが「顔写真を入れる」という方法です。顔写真を加えることで、受け手が「知っている人」や「親しみのある人」だと感じやすくなります。

例えば、家族やペットと一緒に写った写真に吹き出しをつけて、感謝の気持ちや近況を伝えるだけで、受け取った人が「これ、知ってる人だ」と思ってくれることが多くなります。

このような小さな工夫が、見込み先に対する印象を大きく変えるのです。

DMで「顧客目線」を大切にする

単なるセールスレターではなく、相手が「知りたかったこと」「役立つ情報」を提供することが、営業活動のポイントです。

例えば、相手が購入を検討する前に「これを知っておけばよかった」と思うような情報を提供するのです。これを実現するためには、自己満足的な営業メッセージではなく、相手が実際に必要としている情報をしっかりと考え、伝えることが大切です。

例えば、不動産業界であれば、物件選びにおいて失敗しやすいポイントを事前に知らせることが有効です。その後、解決策を一緒に提供することで、信頼感が高まり、営業成績が向上します。

最初に「これを知らなかったら損していたかもしれない」と感じてもらうことで、その後の商談に繋げやすくなるのです。

「反復」こそが営業のカギ

営業活動において最も重要なのは、1回きりの接触ではなく、繰り返しのコミュニケーションです。

新規開拓の際には、一度コンタクトを取っただけでは成果を上げるのは難しいことが多いです。そのため、DMやメールで「反復的に情報を提供する」ことが非常に重要です。

情報を定期的に提供することで、相手は「この会社から来る情報は有益だ」と認識し、次第に自分の問題解決に役立つ存在として捉え始めます。

特にB2B(企業間取引)の営業では、即決できるケースは少なく、時間をかけて関係性を築くことが必要です。

そのため、最初のDMで「自社の実績」や「提案内容」を伝えるのではなく、相手がまだ気づいていない問題点や失敗事例を提示し、その解決策を提案するほうが効果的です。

このようにして、相手の「知識」や「期待」に対するギャップを埋めていくのです。

新規開拓における「失敗から学ぶ」メソッド

営業活動をしていると、必ずと言っていいほど失敗や後悔が生まれます。これらを単なる経験に終わらせず、次の営業活動に活かすための「学び」に変えることが大切です。

失敗した事例とその解決策を情報として提供することで、受け手は「これなら自分も同じ失敗を避けられる」と感じることができます。

例えば、あるお客様が失敗した事例を紹介し、その後どのように解決したのかを説明することで、相手にとって有益な情報を提供することができます。

この手法は、単に製品やサービスを売り込むのではなく、相手にとって本当に必要な情報を届けるというスタンスを取ることで、相手との信頼関係を強化します。

 「人で選ばれる営業」の重要性

営業活動で最も大切なことのひとつは「人で選ばれること」です。製品やサービスが同じであったとしても、相手が自分を信頼し、共感できるかどうかが成約につながります。

そのため、営業担当者が「顔を見せる」ことは非常に重要です。

例えば、先程述べたように顔写真や手書きのメッセージを加えることで、相手に「この人に頼みたい」と思わせることができます。

営業の成功には、製品力やサービス力も重要ですが、最終的には「人間的なつながり」が大きな影響を与えるのです。

まとめ:アナログ×デジタルの融合で新規開拓を加速する

新規営業で成功するためには、テレアポやウェブマーケティングといったデジタル手法に頼りがちですが、アナログの力も侮れません。

特に、顔を見せることや繰り返しのコミュニケーションを取り入れることで、営業活動の効果を飛躍的に高めることができます。

また、失敗から学ぶことや、相手のニーズに合った情報提供を行うことで、より信頼される営業担当者として認知されることができるでしょう。

アナログとデジタルの手法をうまく組み合わせ、効率的かつ人間的な接触を増やすことで、新規開拓の営業成績を大きく向上させることができます。