【売れる営業のルール②】話し方・聴き方だけじゃない第3の営業スキル/訪問しないで売る営業の専門家 菊原智明氏

営業で「話す力」と「聞く力」以外に必要なスキルとは?

営業といえば、「話す力」と「聞く力」が重要だと思われがちです。もちろん、これらのスキルは商談や顧客対応で欠かせない要素です。

しかし、現代の営業にはもう一つ重要なスキルがあります。それは「文章力」です。

オンラインやデジタルコミュニケーションが主流となった今、メールやSNSでのやり取りが営業活動の大部分を占めるようになっています。

この文章では、文章力が営業の成果にどのように影響を与えるのか、またその活用法について解説します。

営業における文章力の重要性

これからの営業活動では、顧客と直接会う前にメールやSNSを通じたやり取りが必要不可欠です。

この段階での文章力が、商談や契約の成功率を大きく左右します。以下のポイントが重要です:

  • 第一印象を左右する
    メールやチャットでの文章は、顧客にとって営業担当者の第一印象となります。無機質な文面ではなく、丁寧かつ親しみやすい内容を心がけることで、信頼感を築くことができます。
  • 人間味を伝えることが有利になる
    「私はこんな人間です」と自己開示をすることで、顧客に親近感を持ってもらいやすくなります。例えば、「ゴルフ帰りの菊原です」「週末は子どもと野球観戦を楽しみました」といった軽いパーソナルな情報を挟むだけでも、相手の興味を引くきっかけになります。
  • 競合との差別化
    商品やサービスそのものでは競合との差をつけにくい場合でも、営業担当者個人の魅力や価値観を文章で伝えることで、他社に対する優位性を生み出すことができます。

文章力が営業未経験者や内向的な人を救う理由

話す力に自信がない人や、内向的な性格の営業担当者にとって、文章力は大きな武器となります。話す場面では緊張してしまう人でも、文章であれば時間をかけて自分の思いを整理し、適切に伝えることができます。

また、文章力は次のような形で営業未経験者をサポートします:

  • 準備ができる
    会話とは異なり、メールやSNSの文章ではじっくり考える時間が与えられます。これにより、伝えたい内容を明確にし、自信を持ってコミュニケーションを取ることができます。
  • 関係構築のきっかけを作れる
    趣味や好きな映画など、軽い自己開示を行うことで共通の話題が生まれ、顧客との距離を縮めることができます。
  • 感情的な壁を低くする
    一般的に内向的な人は、顧客との対面でのやり取りに不安を感じることがあります。文章であれば、この不安を軽減し、冷静に顧客と向き合うことができます。

営業の文章で心がけるべきポイント

文章力を高めるためには、ただ情報を伝えるだけではなく、読者である顧客の心を引きつける工夫が必要です。以下の3つのポイントを押さえましょう:

① 自己紹介を丁寧に行う

メールのやり取りの初期段階で、自分の人間性を軽く伝えることが効果的です。「〇〇会社の△△です」といった形式的な自己紹介だけではなく、趣味や最近の出来事を盛り込むことで、親しみやすさがアップします。

② 共通点を探す工夫をする

メール文中に趣味や興味をさりげなく記載することで、共通の話題を見つけるきっかけを提供します。「週末にホークスの試合を観に行きました」と書けば、相手が野球好きであれば自然に会話が広がります。

③ メールや資料に「自己紹介シート」を添付する

自己紹介シートを作成し、面談前に顧客に送ることも効果的です。以下のような内容を盛り込むと良いでしょう:

  • 人となり(過去の経験や趣味など)
    「小学生のころから野球をしており、大学時代にはキャプテンを務めました」など。
  • 仕事への思い
    「お客様に安心と満足を提供したいという思いで、住宅営業を続けています」など。
  • 実績やスキル
    「年間〇件の成約を達成」「〇年間で△△件のプロジェクトを成功させました」など。

文章力を活用した営業の成功事例

菊原先生がコンサルティングを行ったある企業では、問い合わせフォームからのアプローチ時に自己紹介シートを添付する方法を導入しました。

これにより、商談前の顧客からの信頼感が高まり、競合他社との差別化に成功したそうです。結果として成約率が大幅に向上し、企業の売上に大きく貢献しました。

営業活動で文章力を磨く方法

文章力は、特別な才能がなくてもトレーニングで磨くことができます。次のような方法を実践してみましょう:

  1. 日々のメールで練習する
    日常のメールで、自己開示や顧客への配慮を取り入れた文章を心がける。
  2. フィードバックを受ける
    チーム内でお互いの文章を確認し合い、改善点を見つける。
  3. プロから学ぶ
    営業の文章術に関する書籍や講座を活用して、基礎から学ぶ。

まとめ

話す力や聞く力が重要なのはもちろんですが、オンラインが主流となった今の営業活動では文章力がそれ以上に重要なスキルとなっています。

自分の人間性を伝える文章を心がけ、顧客との信頼関係を深めることで、営業の成功率を大きく高めることが可能です。

営業未経験者や内向的な方でも、文章力を磨けばトップ営業として活躍するチャンスがあります。

ぜひ、文章力を武器に新たな営業スタイルを築いてみてください。