売る側の責任、買う側の責任!金融庁が苦情高止まりの保険代理店を実態調査

金融庁が保険代理店の実態調査を始めます。

生命保険は約8万、損害保険は約16万ある代理店。生保代理店への苦情は年間500〜1,000件に及びます。「保険内容の説明が不足している」ことが原因だそうです。

2019年度は過去最多の948件、コロナ禍だった2020年度も700件程度。たとえば、「公的保険の説明を十分にしていない」「外貨建て保険など元本割れのリスクを知らなかった」「(手数料目的で)短期間で次々に保険を乗り換えさせられた」という苦情です。

保険各社にとって代理店は主要な販売チャネルですが、苦情件数は近年高止まりしており、販売動向監視と顧客保護を徹底していくようです。

BtoBセールスにおいては、相手も企業なので、たとえば、基本契約書や個別契約書、注文書などの書類まわりは、それぞれリーガルチェックをします。社内で話を通すための企画書や稟議書が必要になる会社もあるでしょう。複数の目でしっかり確認するわけです。

しかし、BtoCセールスの場合、特に保険や証券、不動産などの金融商品の場合には、一般消費者や投資家のリテラシーが低いことも多く、目の前の営業が信頼できそうだと思えば、言われるがままに契約してしまいがちです。

「自分の頭で考え、自分の目で確認する」「すべては自己責任である」という意識を持つことは、一般消費者や投資家には難しいことなのでしょうか。

また、金融商品はそもそも契約内容を隅々まで説明するには複雑だったりします。

セールスする側は、自分の収入や営業数字も気になりますし、保険セールスでは基本給よりもインセンティブ・コミッションの割合が高い傾向にあるので、生きていくためにも売らなければとなりがちです。

売るために必要な説明までを削ってしまったり、誤魔化してしまったりするようでは、結局あとから自分に返ってくるだけです。しかし一方では、相手のことを考えて、説明をいかにわかりやすくシンプル化するかは必要なことだと私は思います。微妙なさじ加減ですね。

売る側の責任、買う側の責任。両面から捉えることが大切だと思います。