採用面接で応募動機を聞いてはいけない

「誰に、どんな価値を、どんなオファーで提供するか」

これは、マーケティングの基本であると同時に、人の採用やチームビルディングにおいても根本は同じだと思いませんか?

私たちとご縁をいただいているクライアントには、求人広告代理店や人材紹介派遣、採用コンサル、採用代行など、人材系企業がたくさんいます。

彼らは企業の採用支援が仕事ですが、一方で自社の営業社員やコンサルタント、カウンセラーの出入りが激しく、ビジネス規模の拡大に苦労している会社が結構多いのが実情です。

常に20代30代の若手や新人の占める割合が高いため、顧客の採用活動を成功させるためのコンセプトやメッセージづくりの基本について、私たちが育成コーチ役を代理で担うことも増えています。

そんな採用力育成の現場で感じることは、「求人広告・求人票は、単なる会社説明や仕事紹介ではない」ということ。

採用とは、マーケティングですよね。

つまり、特定のターゲット求職者に、あなたの会社や仕事が提供する価値を、どのような条件で提供するのか。

あなたの会社や仕事は、いわば商品サービスであり、売りものです。

多くの市場が顧客数に対して商品サービスで溢れかえっているのと同じように、求職者数を上回る会社や仕事、求人で溢れているのが採用市場ですよね。

セールスやマーケティングは、商品サービスの機能説明ではなく、顧客が望んでいる問題解決という価値プレゼン。

それと同じように、採用マーケティングも、会社説明や仕事紹介ではなく、求職者が望んでいる問題解決や自己実現、生存欲求などの価値をアピールしなければ、なかなか振り向いてもらえません。

キャッチコピーだけでなく、実際に働いている人間を提供価値の具体証拠として魅せることによって、メッセージに信憑性が生まれます。

面接での対話も「うちの会社はこんなところで、こんな仕事で...」ではなく、目の前の応募者はいったい何を求めているのか、あなたの会社がどのように応援できるのかを話し合う場所ではないでしょうか。

質問すべきは、あなたの会社や仕事になぜ応募したか、ではなく、そもそも転職や仕事探しをなぜ始めたか、を聴くべきです。

Profit Engine読者の皆さんからすれば、至極あたり前に聞こえるかもしれませんね。

でも、もし採用の母集団形成がうまくいかない、面接や内定辞退が多くて歩留まりが悪い、短期退職が多いなら、現場の採用事情を確認してみてください。