ハイエナ営業からの決別

あなたの営業は、ハイエナのような狩猟型になっていませんか?
営業ファーストな会社ほど「早く問合せを獲得し、すぐ商談に進めたい」と思いがちですよね。中長期的な顧客・見込先との関係づくりのような、すぐに営業成績に繋がりそうにない打ち手を軽視しがちです。
たとえば、Google広告を出すにしても、「今すぐ導入を検討している相手」向けのキーワード検索に、自社サービスの案内ページを出す方が、問合せ後すぐに営業が追っかけできるので良さそうに思えます。逆に、情報収集段階のような相手を、ホワイトペーパーのダウンロードや資料請求などでライトに獲得するのは、今月来月の営業成績に繋がる見込みが薄いので、どうも乗り気になりません。
企業向けに採用支援を提供しているクライアントで、最近似たようなケースがありました。Google広告からPDF資料請求で見込み先を獲得する動線が、いまいちパフォーマンスがよくありません。広告に出している資料請求ページを見てみると、フォームがフル項目で入力必須だったんです。
企業名、名前、役職、電話番号、メールアドレス、住所など。私は項目数を減らしてみたらどうか、という話を持ち出したのですが、「項目数を減らすと、営業から追っかけ連絡ができなくなる」という理由だったんです。
ここで、あなたも考えてみてください。自社サービスへの案内ページからの問合せ獲得なら、確かにフル項目を要求してもよいでしょう。でも、ライトな資料請求で、本当にフル項目は必須なんでしょうか?営業からすぐに追っかけしたいというのは、売りたい側の勝手な都合だと思いませんか?
見込客目線で考えた場合、「ちょっと資料や情報が欲しかっただけ...」という程度の動機しかないのに、営業から熱心に電話で追いかけられたいでしょうか?PDF資料をもらうのに、なぜフルフルでフォーム入力をしなければならないのでしょうか?PDFファイルの資料提供なら、電話番号や住所情報、役職などは必要ないと思いませんか?
それは、たとえるなら、知り合ったばかりでLINE交換して間もないのに、いきなり結婚してくれと迫るようなものです。もちろん可能性はゼロではないでしょうが。売りたい側の都合やタイミングを押そうとするほど、嫌がられ、逃げられるだけです。
追いかける必要のない相手、そのタイミングにない見込先は、そもそも追いかける必要がない。もちろん即時、個別商談へ自動誘導する仕組みをつくっておいて、短期的な成果を生み出すように仕掛けはしますが、営業がハイエナのようにたかる段階ではない。
そんな薄いリードを集めて、なんの意味があるのかとハイエナは思うでしょうが、それは”今”しか見えていないからです。数週間、数ヶ月先を見ようとしない限り、いつも自転車操業で、今日の獲物を追い回さなければなりません。
そんなしんどい営業、しんどいビジネスは、そろそろ決別することを考えなくてはいけませんね。