マッキンゼー『日本の営業生産性はなぜ低いのか』をもっとシンプルに!「考える順番」を変えるだけでうまくいく

2021年2月に発表されたマッキンゼーのレポート『日本の営業生産性はなぜ低いのか』。

営業コストに対して、何倍の粗利を稼げているかを示す、独自の「営業ROI」を用いて、いかに日本があらゆる業種でグローバル競合企業より営業生産性が低いかを証明しています。

レポートでは7つの根本課題が説明されています。たとえば、営業プロセスがデジタル化されていないとか、属人的で分業制になっていないとか、成果にならない非効率な顧客至上主義が根強いとか。

確かにどれも納得なのですが、私はただ1つだけ、ここがボトルネックじゃないかと思うポイントがあります。

それは、「考える順番」です。

「考える順番」がちょっと違う

私たちにご相談やお問合せいただく企業の中には、東証プライムやグロースに上場されている企業もありますし、社員10名以下の中小企業もあります。

ほぼすべてに共通しているのは、「顧客▶︎営業▶︎仕組み」の順番で考えていることです。

まず、顧客がいます。クライアント、見込客、リード、市場、新規問合せ客と捉えてもよいと思います。

そこに、営業担当となる社員・メンバーをアサインします。「あなたは、●●社の担当、▲▲地域の担当ね」のように。相手が決まり、担当者が決まると、たとえばテレアポしたり、訪問したり、営業メールを送ったり、提案書を作ったり、と営業活動を行うわけです。

そして、最後に仕組み化の話がやってきます。

「もっと営業活動を効率化できないか、SFAシステムはどうだ、もっとデータドリブンにしようぜ、日程調整ツールは便利か、ウェビナーを自動化するか」のように。まぁたいてい、ツールやシステムでなんとかできないか、という話に行き着くわけですけどね。

売れる仕組みファーストでいこう

私たちの考える順番は、ちょっと違います。

「顧客▶︎仕組み▶︎営業」の順です。

営業生産性をUPさせていくには、考える順番を変えない限り、根本解決にはならないと思っています。

まず、顧客がいます。ここは先ほどと同じです。

次に、そのターゲット顧客層を導くのに適した仕組みを設計します。車一台の設計図をつくるのと同じです。

新規顧客の獲得、関係構築・維持、追加提案など、BtoBビジネスの売れる仕組みにおける基本要素を抑えて、仕組みを丸ごと設計します。必要なページ、ツール、システム、パーツ、制作物などもすべて洗い出します。

設計図ができたら、どのように構築するか、どのようにPDCAをまわして運用するかも決めます。月次、週次、日次レベルまでタスク分解して、ガントチャートにまとめます。

そして最後に、個々の役割やタスク、機能を遂行するメンバーをどうするか、アサインする人のことを考えます。

営業だけでなく、マーケティングやインサイドセールス、カスタマーサクセスも含め、仕組みを組み立て、動かし、成果を出していくために必要なリソースをわりあてます。

社内にリソースが乏しい場合は、設計図をシンプル化したり、様々なアウトソーシングを活用したり、と考えます。

デジタル、システム、ツールの問題じゃない

「顧客▶︎営業▶︎仕組み」の順番で考えている限り、属人的な営業スタイルから脱却することはできません。いくらデジタル、システム、ツールを導入しても同じです。私たちもクライアントをご支援する際には、まず最初に仕組みファーストで設計します。

あなたのビジネスの売れる仕組みはどんな設計になっていますか?

一度、見える化してみてください。仕組みファーストで考えれば、何が必要で、何が無駄かも明らかになります。営業生産性は劇的に向上しますよ。

ぜひやってみてくださいね。