新規事業からの収益を予算に組み込んではいけない理由!テストマーケティングにかかる広告宣伝投資やコストは組み込むが、売上やリターンは組み込まない。

9月に入りました。前半・中盤を過ぎて、今年も後半戦ですね。

年間や四半期、月次、週次目標の達成状況はいかがでしょうか。

私のクライアント数社は、9月から新しい期に入りましたので、このタイミングで業績目標や予算計画について伝えておきたいと思います。

その数字に根拠はあるか

あなたは、業績目標や予算をどのように設定していますか?

「今年度は5億円だったから、来年度は6億円くらい行きたいな...」のように、前の期をもとに翌期の数字をイメージしていませんか?

私は、マーケティングや売れる仕組みという領域を担う立場であることから、事業経営の中枢に深く関わる機会が多いです。

そして、クライアントの経営戦略や予算計画にもアドバイスさせていただく機会もあります。

いま振り返ってみると、ほぼ例外なく、すべてのクライアントに毎回伝えているポイントがあるんです。それは、「その数字に根拠はあるか」です。

新規事業からの収益を見込まない

よくある間違いは、現在はまったく影も形もない新規事業からの収益を見込んでしまっていること。

クライアントの1社であり、私の中学時代からの同級生が社長の印刷会社でも同様のシーンがありました。

既存の印刷事業が厳しく、どうしても成長が見出せない。Web領域のソリューションを新たな事業として立ち上げたいという危機感と想いを強く持っています。

しかし問題は、新規事業から見込んでいる売上や利益を得るために、いつ、何に、いくら投資して、どれほどのリターン(成果)が返って来るのか、根拠となる数字がないのです。

今期中に小予算でのテストマーケティングを実行していて、どのような数字(KPIやROI、ROAS)が目指せそうか、すでに確認できているならOKなんですよ。

でも、Web領域で事業を作った経験もなく、テストマーケティングもまだやっていない状態で、「これくらい、いけるんじゃないか...」と予算計画にまで織り込んでしまうのは、NGです。

ある意味、勘や憶測、ギャンブルで経営をしているようなものですからね。

また、「同じ領域で他社はこれくらいの数字だから、うちも行けるんじゃないか...」と隣近所を参考にするケースもあります。

でも、自社と他社では新規事業を担う人材の力量や実務経験値をはじめ、前提条件が異なります。まったく同じということはあり得ません。

投資やコストだけを組み込む

新規事業に着手したい場合や、既存事業に新しい施策を追加したい場合には、今期のうちにテストマーケティングを実行して、目標設定の根拠となる数字を実地で確認しておきましょう。

今期は着手せず、あくまでも来期から始める場合には、テストマーケティングにかかるコストやリソースは、投資や費用として経営計画や業績目標、予算立てに組み込んでおきますが、そこから得られる売上や利益といったリターンは、目標からは外しておくことが賢明です。

あくまでも予算計画としては、今すでにやっている既存事業の仕組みを改善改良して、収益性をUPさせる。投下する広告宣伝費や販売促進費、人件費を増やして、数字を作りにいくことを考えましょう。

あくまでも今やっている目の前の事業や仕組みがベースであることを忘れてはいけません。