P&Gの売れる秘密!社員能力NO.1企業P&Gが次々とトップブランドを生み出せる理由とは。

P&Gという会社、ご存知ですよね?

パンパース、ジョイ、アリエール、ファブリーズ、パンテーン、マックスファクター、SK-Ⅱ、ウィスパー・・・アメリカに本社を置く日用品雑貨メーカーP&Gは、世界最大の消費材メーカーです。

でも、今日お話ししたいのは、売上金額の大きさでも10億ドル超えしたブランドの数でもありません。P&Gが「社員能力NO.1」の企業である、という点です。

アメリカのビジネス誌「フォーチュン」誌では、”社員の能力”で世界ランキング1位を獲得したり、「チーフエグゼクティブ」誌では、”リーダー育成”に優れた企業としてランキング総合1位になったりと、人材育成で最高評価をされています。

GEやマイクロソフト、ディズニーなどの世界的な有名企業の社長や幹部にも、P&G出身者が大勢います。日本でも最近注目を浴びている株式会社刀の森岡毅さんも、P&Gのご出身です。

P&Gは優秀な人材を他からヘッドハントするのではなく生え抜き重視。つまり、新卒社員を「社員能力NO.1」に育て上げる会社ということです。

なぜ、P&Gでは次々とトップブランドを生み出すことができるのか。その源となる社員が育ち、社員能力NO.1と賞賛される秘密は何か。

今日は、その秘密の中から「成功体験をシステム化する」を取り上げたいと思います。

P&Gの秘密①:他人の成功体験を徹底的にマネする

P&Gでは、プロジェクトが終わると必ず、「メモ」をまとめ、なにがうまくいった秘訣か、なにがうまくいかなかった原因か、を明確にして、チーム内外に広く共有します。特に、成功事例は、広くグローバル全体で共有されます。

化粧品部門や洗剤部門などのカテゴリー別、マーケティング部や調査部、広報部などのファンクション別に、定期的に成功事例の発表を行います。

簡単な報告会は、チームのランチミーティングとして月1回。部署全体では、四半期に一度。カテゴリーやファンクションを超えての会社全体では年1−2回。グローバルでは、2−3年に1回という具合に、成功事例の発表や表彰があります。

たとえば、シャンプーブランドのパンテーンが打ち出した冬のキャンペーンでは、「静電気で傷む髪をパンテーンが健康で美しい髪にしてくれる」というコンセプト。

新製品やニュースがまったくない中で、パンテーンは冬ならではの女性が強く持つお悩みをうまく捉え、それを解決する商品のよさを伝えることで、2ケタの売上増を実現しました。

実は、この「季節特有のお悩みに特化したコンセプト」は、中国で成功した化粧品ブランドのプロモーションを応用したものなのです。

同じコンセプトの作り方パターンで、洗剤やファブリーズなどでも成果が出ています。

P&Gの秘密②:成功体験をパターン化、システム化する

成功事例のマネが蓄積されると、確からしいノウハウとして体系化・標準化されます。どこでも誰でも使えるシステム化された成功法則に昇華されます。

もちろん、P&G以外の会社でも、誰かの成功体験や事例をシェアする場面はあるでしょう。

でも、P&Gがすごいのは、いつでも誰でも使えるように「成功体験をパターン化、システム化する」という考え方と仕組みが組織レベルで浸透していることです。

  1. 目的と結果のハイライト
  2. 背景
  3. 結果内容と証明する数字
  4. 学び&成功要因と失敗要因
  5. 次回への課題とアクション

プロジェクトが終わると、上記の5点をセットで総括。

特に4番目の「学び&うまくいった要因とうまくいかなかった要因」が一番大事。

今回の事例が成功した最も重要な理由を突き詰めて考え、これだ!というものを1〜3個に絞ります。

そして、他の事例に応用するとしたら、何が有効かを考えるのです。違う商品で同じように結果を出そうと思った時に、たったひとつ絶対にやるべきことがあるとしたら、なんだろうかと。

多くの会社では、成功事例・失敗事例を口頭や資料でシェアすることはやっていても、プロジェクトを実際に手掛けた当事者たちが、同じパターンやシステムを他の人が別の商品で使うケースを想定して、パターン化やシステム化まで責任を持ってやりきるという発想はないんじゃないかと思います。

このように、成功要因を見つけて、明文化されたナレッジとして蓄積し、世界中の社員たちが真似できるようにパターン化、システム化するところまでがプロジェクトの一貫である、という考え方が確立されているということです。

P&Gの秘密③:異業種の成功パターンやシステムを応用する

どこかの会社やブランドの成功事例を聞いた時、「話はわかるけど、うちの会社では使えない」「うちの業界は状況が違うからあてはまらない」と考えがちではありませんか?

P&Gでは、成功パターンやシステムを応用・転用するのは、同じブランド、同じ業界、同じ国だけではありません。まったく違うブランド、業界、国で成功した事例があれば、あらゆるプロジェクトで、その戦略を応用できないだろうかと、常に考えます。

異業種・他分野に応用する、というのは、手っ取り早くそっくりそのまま真似するという意味ではありません。成功の要因や戦略、もとになった考え方、方向性を真似するということです。

商品企画やマーケティング、広告のアイデアも、異業種・他分野でうまくいったパターンをどうすれば使えるかを考えます。

正しく真似するには、むしろ思考力や創造力が必要なのです。

「異業種・他分野の成功パターンを応用・転用できないか」
「システム化された成功法則のどれを徹底的にマネしようか」

そういう発想でP&G社員たちは仕事をしています。

だから、成果が出る確率も高く、成果が出るまでの時間も早く、社員たち自身にも成功パターンや成功法則が染み付きやすいのだと、私は思います。

まとめ

私たち『PROFIT ENGINE』が社長・事業責任者・マーケターの皆さんとシェアしているのは、P&Gが自社内でやっていることなのです。

異業種や海外のビジネスモデルやマーケティング戦略、売れる仕組みの成功パターンや法則を毎日毎月シェアしていますので、ぜひ今後も『PROFIT ENGINE』をあなたのビジネスにご活用ください。