キーエンスの最強営業組織をつくる3つの秘密!日次PDCAサイクルがすべての起点となる

2022年3月期、平均年間給与2,182万円と過去最高を更新したキーエンス。

従業員1人あたりの営業利益も4,821万円で、こちらも過去最高を更新。競合となるオムロンの15倍、ファナックの2.2倍です。さらに、売上に対する営業利益率も55%。圧倒的な数字ですね。

キーエンスが圧倒的な理由はいくつもありますが、今日注目したいのは、「PDCAサイクルのまわし方」です。私たちも3つのポイントを真似したいものです。

(1)日次でPDCAをまわす

営業やマーケが強い会社と弱い会社で決定的に違うのは、PDCAのサイクルを短いスパンでまわす点です。

営業やマーケが弱い会社は、PDCAを四半期や月次でまわしています。一方、キーエンスのような営業ファーストな会社では、週次や日次でまわしています。

ご存じのように、PDCAとは、計画、実行、評価、改善のサイクルです。「今月はどうだった?来月はどうする?」と月例報告で振り返る会社と、「今日はどうだった?明日はどうする?」と毎日やり合っている会社。どっちが伸びると思いますか?

(2)行動数字と目的が明確である

キーエンスでは、現場の営業社員の行動や時間の使い方に、明確な基準が決まっています。たとえば、営業社員は週3〜4日を外回りに充て、1日あたり5〜10件訪問します。

行動目標となる数字も明確です。業績目標達成のためには、今日や今週、何件の訪問をする必要があるのか。個々の訪問は、商品購入してもらうための訪問か、購入のタイミングを知るための訪問か、相手先のキーマンを探すための訪問か。前日には、翌日の顧客訪問の目的を明確にします。

「なんとなく、訪問した」「できるだけ、電話した」のような曖昧さは許されません。

(3)数値を克明に記録する

外出報告書には、営業社員は1日の顧客まわりを終えて帰社すると、その日の行動を分刻みで書き、報告します。

商談した顧客のニーズ、実機を使ったデモの有無、顧客の反応を記録します。営業社員の日々の行動に関する記録、顧客との商談に関する記録を提出します。そして、次への打ち手や改善について、上司と話し合ったり、先輩からアドバイスを受けたりします。

今日は3つのポイントをあげましたが、起点となるのは、1つ目の日次PDCAだと私は思います。

「日次PDCAをまわす」と、まず決めることです。

すると、毎日、何を計画するか、何を実行するか、何をどのように評価し、何を改善するか、PDCAで追いかけるべき内容や項目を考え出すでしょう。

さらに、目標達成には絶対に欠かせない「数字」について、どうすれば正確な数字が把握できるか、仕組みやSFAシステム、フォーマットを考え始めるでしょう。

日次PDCAをまわすと決めると、おそらく最初は他の社員や営業メンバーからは、ものすごく嫌な顔をされるんじゃないかと思いますね笑 「また社長が面倒なことを言い出した」「毎日詰められるのはストレスだ」とか笑

でも、どんな事業をやっているとしても、本気でビジネスを伸ばしたいなら、PDCAは日次です。

私たちのクライアントでも、日次PDCAにシフトした会社は業績UPしています。いまのところ、例外はありません。それくらい日次PDCAはパワフルです。

やる価値は大きいですよ。