ジブリパークの運営戦略!スケールしやすいビジネスモデルの設計図とは。製品で認知と顧客基盤を広げ、サービスで利益を稼ぐ。

今年11月1日、愛知県長久手市に新しいテーマパークがオープンします。「ジブリパーク」です。

開業に向けたチケット先行販売が8月10日から始まっていて、22日まで受付中。パーク会場は5区画に分かれていて、まずは3区画が開業します。

ジブリ作品の絵コンテやアニメのモチーフになった道具を展示する「ジブリの大倉庫」、耳をすませばに出てくる骨董店などを設けた「青春の丘」、となりのトトロの風景を再現した「どんどこ森」の3区画です。

「もののけ姫」「魔女の谷」の2区画は、2023年秋以降のオープンだそうです。

入場は区画別・日時指定での完全予約制。年間来場者数は3区画で約100万人、5区画そろって約180万人を見込んでいます。

来場客数<顧客単価・満足度

東京ディズニーリゾートやUSJのような大型アトラクションやキャラクターショーとは演出が違い、ジブリパークは、世界観をじっくり味わうコンセプト。

スタジオジブリは、三鷹の森ジブリ美術館を2001年から予約制で運営しているので、同様の方針なのでしょう。

最近のテーマパークは、入場者数を競うより、顧客満足度や顧客単価をUPする考えに変わりつつあります。

東京ディズニーリゾートでも、2019年3月には過去最高の3256万人が来場しましたが、長い待ち時間が常態化して満足度向上が急務だったとのこと。

「少子化や人手不足を考えると、満足度をあげる方針が持続的な運営に繋がる」とオリエンタルランド社長もコメントしています。

成長しやすいビジネスの組み立て

私たち中小企業・スタートアップの多くは、テーマパーク開発・運営はやっていないでしょうが、応用できるポイントがあると思いませんか?

私が気づいたのは、「無料・低単価な”製品”によって顧客基盤を広げ、高単価・高粗利な”サービス”によって、利益を稼ぐ」という組み立て。

テーマパークの運営ロジックとはちょっと外れるかもしれませんけどね笑

「製品」は、物理的制約があるものの、より多くの人々に届けやすいのが特長です。

あえて無料や低単価に設定し、顧客基盤を広げるには向いていると思いますが、薄利多売になりやすいというデメリットがあります。

一方「サービス」は、手間や労力がかかったり、地理的制約がかかったりとスケールはしづらいですが、顧客との距離もより近く、1to1または少人数を相手にします。

高単価に設定して、利益を稼ぐには向いていると思います。

製品で顧客基盤を、サービスで利益を

もちろん、製品やサービスも細かく分類すれば、様々な形態があるので、一括りにはできませんが、集客商品・利益商品の位置付けと、有形な製品と無形なサービスの役割分けを意識すると良いでしょう。

ビジネスを成長させるという意味で最も避けたいのは、フロントの集客商品から人員や手間、労力が大きい”サービス”を提供するという方法です。

良いとかダメとかではなく、ビジネスを成長させづらいモデルであることは理解しておいた方が良いでしょう。

集客商品(=フロントエンド)には有形な製品を、利益商品(=バックエンド)には無形なサービスを、という発想で組み立てる方が、ビジネスは成長しやすいです。

ぜひ参考にしてみてくださいね。