P2Cとは何か。影響力を持つ個人、個人の集合体は、大多数の旧態依然とした企業組織に勝る。

日経X TRENDの記事によると、元読者モデルで美容家の千葉由佳さんが立ち上げた「Yunth(ユンス)」というスキンケアブランドが人気だそうです。

2021年11月のブランド開始とのことで、ちょうど1年経ったところでしょうか。

先行予約は即完売、実店舗・ECともに販売中。ブランド立ち上げの翌日に、伊勢丹新宿店の担当からInstagramへDMが来るなど、注目されています。

Yunthは「生ビタミンC美白美容液」「ナノバブル美白化粧水」「美白シートマスク」などのスキンケアシリーズを展開。中でも、肌のしみやそばかすを防ぐ「生ビタミンC」が人気だそうです。

彼女の原点は、読者モデル時代の経験。

「ファッションよりもコスメのことを聞かれる頻度が圧倒的に多かった。」
「30代になると、チャレンジすることを諦めてしまう女性も多いが、女性のチャレンジを応援したい。」

そんな千葉氏の想いが背景にあるようです。

ブログやInstagramを通じて蓄積してきたファンへの発信や交流、ファンからの声が、ブランド立ち上げを後押ししてくれました。

◾️選ばれ続ける理由をどうやって作るか

企業も人々も、情報過多や選択肢過多な時代に、あらゆる情報や選択肢を収集して、合理的な判断をすることは困難です。

そもそも全てを比較検討している時間的・精神的な余裕もありません。

しかし、商品サービスが短命化していて、次々と新商品を開発してヒットを飛ばさなければならないと、たとえば、ライオンやニチレイ、日清食品などメーカー各社は躍起になっています。

でも、ヒット商品を生み出すなんて、まったく容易いことではありません。米シリコンバレーでは、”当たる確率”は2%未満という統計もあります。ファストリ柳井正会長の著書で言えば、一勝九敗ですね。

ますます類似・競合する商品サービスで市場が溢れかえり、人知れず次々と淘汰され消えていく。さらには、思わぬプレーヤーがイノベーションを起こして、ある日突然、市場のルールを変えてしまう。

そんな市場環境・消費者行動の中で、私たちはどうやって選ばれ続けられるのでしょうか。

◾️商品で勝負するか、人間で勝負するか

私が思うに、その鍵は「人間」にあります。

これは、BtoCビジネスだけでなく、BtoBも同様です。さらにはスモールビジネスや個人事業だけでなく、中小企業や大企業も同様だと思います。

もはや商品サービスやソリューションだけでは、生き残り続けることは困難ではないかと思うのです。一時的な流行やトレンド、一発屋にはなれるかもしれませんが、長期安定成長ビジネスは築けません。

元読者モデルで美容家の千葉由佳さんのケースをはじめ、いま世の中では「個人」が台頭しています。

D2C(ダイレクト・トゥー・コンシューマー)は、商品を製造するメーカーが直接消費者へ販売するモデルですが、P2C(パーソン・トゥー・コンシューマー)はますます活況になっていくでしょう。

人気YouTuberやインスタグラマーがコラボ企画・商品サービスを次々とバカ売れさせているのと同じように、影響力を持つ個人、個人の集合体は、大多数の旧態依然とした企業組織に勝ると考えます。

あなたの会社は、商品サービスで勝負していますか?それとも、「人間」で勝負していますか?