業績目標の決め方

もう4月になります。新しい期に向けて、業績目標や予算計画を立てる会社も多い時期ですね。あなたは業績目標や予算をどのように設定していますか?
私の場合は、実は通期での数値目標を掲げることはなく、四半期単位で考えています。というのも、うちみたいな小さな会社にとって、1年はスパンとして長すぎる。環境変化も激しいVUCA時代ですから、1年先のことなんて見通せません。四半期ごとに数字と向き合っています。
ウォッチする数字も、売上や利益よりも、主に顧客数やCPO、LTVを見ています。うちの会社はどの事業部門も共通で、2~3段階のサブスクモデルで商品設計をすることが多いので、顧客数もサブスクレベルごとに把握するようにしています。CPOは顧客獲得コスト、LTVは360日粗利で見ています。
CPO<LTVが成立する範囲内で、月末時点でのキャッシュ前月比増の50〜80%を翌月の広告宣伝や販売促進に再投資して、顧客数やLTVを底上げしようと取り組んでいます。
売上や利益はあくまでも最終成績であって、事業部門ごとの位置付けや成長ステージごとに、再投資にまわす利益の割合も一律ではないので、一概に利益やキャッシュがたくさん残っていれば良いわけではありません。
キャッシュは売上ゼロでも潰れない無収入寿命を気にしておくようにしていて、昔は12ヶ月分を安全圏としていましたが、最近は24ヶ月分を守っています。
このようなビジネス数字の組み立て方は、賛否両論あるんじゃないかと思います。というのも、私の数字との向き合い方は、どちらかというと安全志向で手堅く、現実的で地に足がついたものだからです。最初は小さな雪だるまも、複利でコロコロと転がすうちに、やがて大玉に育っていくような感覚です。自己資金100%で金融機関から借入もしたことがありません。
しかし、もっと野心的な経営者や起業家の方であれば、大きな売上や利益目標をドーンと掲げて、どうすれば達成できるかを逆算思考で、積極的にリスクを取っていく順番ではないでしょうか。
あなたのビジネスが上場企業クラスでも、個人サイズでも、自分にあった数字やお金との向き合い方のスタイルを見つけておくようにしましょう。そうすれば、漠然とした”大丈夫だろうか...”と不安や迷いを感じることがなくなり、自信をもってビジネスに取り組めると思いますよ。