こんな会社に未来はない

「ラクすることを考えるな!」

あなたも先輩や上司からこう言われたことはありませんか?

私が雑誌広告代理店でフルコミ営業の学生バイトをしていた頃、先輩社員からよく言われました。「いつまでオフィスのデスクに座ってるんだ?みんな営業の外回りに出ているぞ、お前ももっと泥臭く動け」と。

テレアポ研修トレーナーやマーケターとして独立した後も、特に営業系の講座や親睦会に参加すると、”営業は足で稼ぐ”という感覚を持っている人が多かった印象です。

もちろんフルコミ営業かけ出しの私も、当初は約2ヶ月で500時間のテレアポや訪問を泥臭くやっていました。それは間違いなく、営業の基礎体力やメンタルを鍛えてくれました。社長や先輩たちの熱血指導で4ヶ月目以降は、月100万円以上の報酬をいただけるようにもなりました。

でも同時に、他の社員や学生バイトが次々と辞めていく様子を見て、別の方法も検討する必要があるんじゃないかとも感じていました。私個人としても、自分がテレアポした件数分だけ新規開拓できますが、逆に言えば、顧客や見込先への訪問が増えると、テレアポにかけられる時間は減り、新規の伸びは鈍化します。

そこで、私が当時試したのは、郵送DMやFAXDMだったんです。

でも実際に、私がテレアポもせずに、オフィスでPCに向かってDM原稿をライティングしたり、郵送やFAXを送ったりしている様子を側から見ると、先輩や上司には睨まれました。「あいつは営業もしないで一体なにをやっているんだ?」「あいつはテレアポをやりたくないだけじゃないか?ラクしたいだけでは?」と懐疑的に映ったのかもしれません。

もちろん、これは20年前の話なので、今では少し状況は変わってきています。

Web集客やWebセミナー、SNS、動画、Eメール、LINE、AI、自動化ツールなど、営業やマーケティングの手法も多様化しています。次々と新しいトレンドも出てきますよね。でも世の中が「今はこれだ、次はあれだ」と盛り上がるわりに、”相変わらず”な雰囲気がありませんか?

特にあなたの会社がBtoBビジネスなら、「いろいろ試したけど大して結果が出なかった」「小難しくてお金や手間がかかるわりに成果も遅くて小さい」「うちのビジネスにはあわない」「結局はラクを求めずに、テレアポや”足で稼ぐ営業”のほうが手っ取り早い」そんなムードがあるんじゃないでしょうか?

もしあなたの会社も手詰まり感があるなら、その原因は「売れる仕組みの全体設計図がないから」かもしれません。

過去にいろいろ試してもうまくいかなかった原因は、たぶんインスタントでパッと簡単に結果が出るような魔法の杖が落ちていないかと、断片的に探そうとしていたからではないでしょうか?

だって、よく考えてみてください。

Web広告を出せば儲かるわけじゃないですよね?ウェビナーをやれば儲かるわけじゃないですよね?SNSフォロワーを増やせば、動画を発信すれば、ChatGPTを使えば、Salesforceやツールを導入すれば、儲かるわけじゃないですよね?

それらが、売れる仕組みとして1つに統合されない限り、個別手法が本当の意味で結果になることはないんです。だから「何をやっても大してうまくいかない」という結果になる。

それは車1台を組み立てるのに、「この最先端のタイヤがあれば... 最新素材のシートがあれば...」といきなり考えないのと同じで、車の設計図、必要な部品、組み立て工程や手順が見通せていないのに、個別のパーツだけをバラバラに集めても、車は走ってはくれません。

売れる仕組みは、限られた人手や予算、労力、時間でも、あなたの売上や利益、収入をスケールさせていくための必須マシンです。

日本や世界のどこで、どんな規模のビジネスをやるとしても、昔ながらの人海戦術ではもう回らないことは、誰の目にも明らかですよね?20代30代の若い人たちも、そんな旧態依然とした会社をもう選びません。

もし以前の私と同じように、あなたの周りに「営業は足で稼ぐもの」「ラクを求めるな」という頭の固い先輩や上司がいたら、笑顔でウンウンと頷いて反論せずに、こっそりと売れる仕組みの構築や現場実験に取り組むようにしてくださいね。

価値がわかろうとしない人を、がんばって説得しているほど、私たちはヒマではありません。今やるべきことを、やりましょう。

【新刊本】事業創造マニュアル:社員数・働く時間に依存しない!厚利少売の10億円ビジネスをつくる10の基本戦略 (Sales Engine)

ご注文はこちら ●なぜ社員2名で25の新規事業を年商1億、10億超えできたか●47業種168社で269億円以上の業績UPを達成した戦略●20年かけて体系化した知識経験ゼロでもわかる…