無印良品「仕組みが9割」の秘密!商品企画やマーケ会議を「お客様の声・購買行動」起点で始めているか

今日は無印良品の「売れる仕組み」から学びましょう。

無印良品の店舗、きっとあなたも行ったことありますよね?無印良品の裏側には、様々な仕組みが隠れているんですよ。

店舗業務『MUJIGRAM』

その代表格は、2000ページのマニュアル。名前は『MUJIGRAM(ムジグラム)』。

たとえば、マネキンのコーディネート。シルエットを△形か▽形、使う服の色は三色以内など、写真やイラスト、図解を加えてわかりやすく解説されています。色についての基礎知識を解説したページもあるんです。

個人の経験や勘に頼っていた業務を仕組み化し、ノウハウとして蓄積させることによって、チームの実行力を高めることが目的です。

何か問題が発生したときも、その場に上司がいなくても、マニュアルを見れば判断に迷うことなく解決でき、生産性もUPします。

本部業務『業務基準書』

さらに、店舗開発部や企画室など、本部の業務マニュアル『業務基準書』もあります。

たとえば、商品名とキャッチコピーのつくり方。ウールや麻、綿などの天然素材の名称は使って良いが、コットンやヘンプは使わないという素材に関する基準。言葉で飾り立てようとせず、正直なモノを語るには正直な言葉で、のように理念まで伝わるように解説されています。

どこに店を出すか、出店の可否判断の方法も業務基準書で決められています。

候補地に関する情報の集め方、現地調査の仕方、出店した場合の売上予測の立て方など、一連のプロセスが仕組み化されています。

このように、無印良品では、商品開発から経営、売り場のディスプレイ、接客まで、ありとあらゆる仕事が仕組み化、標準化されているということ。すべての仕事のノウハウが明文化されているのです。

商品企画『お客様の声→ヒット商品』

よくクレームは宝と言われますが、お客様の声を活用する具体的な基準を持っている、仕組みを整えている会社は少ないのではないでしょうか。

お客様の声を集める仕組みは、宝の山です。無印良品は、お客様の声からヒット商品をつくる方法やプロセスまでも仕組み化、マニュアル化されています。

  • 商品がほつれている
  • 前に買ったものよりゴムが緩い
  • キャスター部分の交換はできるのか
  • 蒸れない帽子を作れませんか?
  • このサイズの机を作ってほしい

週1回、関係者でお客様の声をチェックし、商品に反映するかを吟味しているそうです。

クレームやリクエストは、実際に役立ててこそ、本当の宝になります。そう考えると、どの企業にもアイデアの宝が山ほど眠っているのではないでしょうか。

お客様の声と購買行動がすべて

私が無印良品の仕組み化から学んだことは、マニュアル・標準化が大事だよね、という話ではありません。

すべてを「顧客起点、顧客視点で仕組みを設計している」という点です。

私たちはPROFIT ENGINEをはじめ、様々なブランドやメディアを運営していますが、同時に、クライアントの売れる仕組みづくりをご支援もしています。各社の商品企画やマーケ会議にも同席して、売上や利益UP、顧客数UPのために商品を考えたり、売り方を考えたりします。

しかし、社長や幹部社員、マネージャーの頭の中だけで、あるいは集計された数字だけを見て、「あーじゃないか、こーじゃないか」という議論をしがちです。

伸びている会社の商品企画やマーケ会議ほど、現場の営業社員やカスタマーサポート社員の同席が多く、彼らの発言量はかなり多めです。むしろ、現場社員が中心と言ってもよいでしょう。

なぜなら、現場社員が最もお客様の声を直に浴びているからです。お客様がどのように購買行動へ至ったのかも、現場社員が最も把握しています。

伸びていない会社ほど、社長や幹部社員、マネージャークラスだけが会議室内で喧々諤々と議論した上で、起点となるファクトが乏しく、確信を持てる結論に至らないケースが多いです。

あなたの会社では、商品企画やマーケ会議を「お客様の声・購買行動」起点で始めていますか?会議室や頭の中だけで、物事を組み立てようとしていませんか?

私たちはいつも、顧客起点、現場起点で考えるという基本を忘れてはいけませんね。