エンジャパンのアンケート調査結果!スタートアップが求める人材と転職希望者のマインドギャップとは

「スタートアップへの転職には興味あるが、年収が下がるのは嫌だ。」

そんなバカな!と思いませんか?私は思いますよ。

エン・ジャパンが実施した30〜50代、908名へのアンケート調査によると、スタートアップへの転職意欲を尋ねた質問に対して、「積極的に転職したい」が16%、「条件次第で転職したい」が60%だったそうです。合計およそ8割が、スタートアップへの転職には前向きだという回答でした。

スタートアップへの転職に前向きな理由としては、「先進性・革新性のある事業に携われる」がトップで、「責任あるポジションに就きたい」「スキルや経験を生かしたい」が続きました。

一方、「年収が下がっても転職したいとは思わない」など、年収などの条件面では慎重な姿勢が目立ちます。ストックオプション制度を設ける企業も多いですが、実際にもらった経験のないストックオプションよりも、毎月の給与が十分かつ安定しているかを重視する傾向にあるようです。

今回のエン・ジャパンが行った調査対象がどんな30〜50代か、スタートアップの定義が何なのか、前提が若干曖昧ではありますが、中小企業の社長の端くれである私から見れば、スタートアップへの転職を考えているのに、前職までと給与条件や就労環境を求めてくるような人材は正直欲しくないですね。

他へ行ってください、あるいは、今の会社で安定して働き続ける方がいいんじゃないですか、と言いたくなります。

スタートアップとは、今は大して何も整っていないけど、これからグングンと急激に成長・変化していくことを目論むもの。だから、大手有名企業や安定企業にお勤めだった時と、同じ理屈や感覚を持ち込まれても、スタートアップ側も困るわけです。

スタートアップなんて、カオスですからね笑

もし仮に、スタートアップへ自分自身を高値・高給で売り込みたいと思うなら、転職先へもたらす価値や業績貢献を数字で示すこと、さらに自分にはそれが実行・達成できる実力と実績があることを証明することが必要です。

なんだか大層に聞こえるかもしれませんが、営業だったら当たり前ですよね。

商品サービス、ソリューションを提案するときには、いかに確からしいものか、どれだけの成果をもたらす見通しがあるのかをプレゼンするのは、普通のこと。価値がわからない、メリットを伝えられないのに、お金を払うわけないじゃないですか。それと同じです。

スタートアップならば、営業やマーケティングといった顧客基盤や収益基盤を急速に作ることのできる人こそ最も必要です。いくら多額の資金調達ができていても、集められない・売れないでは、事業になりませんからね。大半のスタートアップは、人知れず消えていきますから。

なので、人材としての自分の価値を存分に売り込めるのは、もはや基本動作のレベルです。

しかし同時に、スタートアップ側がわかっておかなきゃいけないのは、自分のビジネスが、そんなトップ1%クラスの人材を惹き寄せられるだけビジネスかどうか。

先進性・革新性のある事業かどうか、魅力あるビジョンかどうか。自分にとって思い入れがあっても、それは客観的な視点で捉え直した時にどうなのか。面白くない事業、面白くない仕事には、人材は集まりませんからね。

あたり前ですが、こちらは雇う側だ、お金を出す側だ、みたいな上から目線では絶対にうまくいきません。対等ですよ。