新規事業アイデアや商品企画には業界経験が邪魔をする

新規事業アイデアや商品企画には業界経験が邪魔をする。

今年1月から地方の印刷会社さんとご縁をいただき『売れる仕組み戦略実践1on1コーチング』を開始しています。

地元銀行・金融機関向けに窓口手続きなどで使用される紙の書類を印刷製本・提供してきた会社です。

長年にわたり業績は安定していましたが、最近では一般的な紙需要の低下に伴い、売上は右肩下がりで低迷しています。

主要顧客である地元銀行・金融機関で、DXやペーパーレスを含めたコスト削減に積極的に取り組んでおり、売上の落ち込みは加速。

新たな事業、新たな商品サービス、新しい売り方をつくらなくてはと、社長や現場リーダーの皆さんも焦りを感じて、今回私たちがご支援するチャンスをいただきました。

私たちは、これまでにも複数の印刷会社をサポートした経験があります。

ほぼ例外なく、業績の低迷、低粗利商品、足繁く通って頭を下げる営業、接待営業といった業界のあたり前や慣習から抜け出せないまま、苦労されている印象があります。

今年から取り組んでいるクライアントは、一緒に新商品サービスの企画をまとめ、セールスプレゼンの基本トレーニング、アプローチする既存顧客先のリストアップ、アポ取り、営業資料の作成と3月後半からテスト販売活動に入るところです。

本当はもう少しテンポアップしたいところでしたが、私たちも焦らず、じっくりと伴走する姿勢で辛抱強く取り組んでいます。

業界経験や1つの仕事に長く精通していると、悪い意味で、商品の特徴や機能、仕様、今までの営業や販売スタイルに無意識に縛られがちではありませんか?

それが、私たちのクライアントのように、新たな事業、新たな商品サービス、新しい売り方を生み出そうとする時に、思考や発想に制限をかけてしまっているかもしれません。

そして、業績の伸び悩みやビジネスの成長しづらさの原因になっている可能性があります。

たとえば、印刷会社でよくあるケースは、「私たちは印刷会社であり、印刷された製品をつくり届けるのが役割だ」という思い込みです。

もちろん、印刷の仕事が何も悪いわけではありませんよ。

ただ、印刷技術や製品そのものへの愛着、品質へのこだわりの強さが、顧客にどのようなベネフィット(≒問題解決)を価値提供しているのかという視点を後回しにしてしまっているような気がします。

「名刺」が欲しいのではなく「出会った相手から信頼を得たい」とか、「手帳」が欲しいのではなく「営業生産性をUPして成績をあげたい」とか。

顧客は商品サービスそのものを買うのではなく、商品サービスを通じて得られる結果や変化への期待感からお金を払ってくださるわけです。

新たな事業、新たな商品サービスを生み出そうとする時、いきなり商品の特徴や機能、仕様に埋没する前に、まず顧客に提供したいベネフィットや価値から逆算してみてください。

顧客が期待している結果や変化からの逆算で商品を発想する方が、売れる商品企画やキャンペーンを立案しやすいと思いますよ。