お客様から好かれる営業マンの見た目とは?第一印象で差がつく営業の服装・マナー完全ガイド/営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明
営業の世界では、商品やサービスの説明力以上に「第一印象」が契約を左右することがあります。「人は見た目が9割」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
これは心理学者アルバート・メラビアンの法則にも通じ、見た目や態度、声のトーンなど非言語的要素が相手の印象の大半を決めると言われています。
特に営業職では、お客様との最初の数秒間で「信頼できる人かどうか」が判断され、その後の商談の空気感を左右します。
もしあなたが営業で成果を出せず悩んでいるなら、話し方や提案内容を改善する前に「見た目」を変えることが売上アップの近道になるかもしれません。
本記事では、元トヨタホームの住宅営業として7年間売れずに苦しみながらも、その後4年連続トップ営業マンとなり、現在は営業コンサルタントとして15,000人以上を指導し、80冊以上の営業書籍を執筆した菊原智明先生のアドバイスをもとに、「お客様から好かれる営業マンの見た目の作り方」を徹底解説します。
営業の見た目は「自分基準」ではなく「お客様基準」で決める
多くの営業マンが陥る落とし穴は、「自分が好きな服装」「自分らしいスタイル」を優先してしまうことです。もちろん個性は大切ですが、営業の場ではまず「お客様がどう感じるか」が最優先です。
例えば、カジュアルすぎる柄シャツやキャラクターネクタイは、親しみやすさよりも軽率な印象を与えてしまう場合があります。
住宅営業、保険営業、法人営業など、業種やターゲット層によって「ふさわしい見た目」は異なります。
お客様が40代〜50代の経営者層なら、落ち着いた色味のスーツやシンプルなネクタイが好印象ですし、20代〜30代が中心のカジュアルな商材なら、少し柔らかい雰囲気を意識しても良いでしょう。
見た目を客観的に評価するためには、自分の写真や動画を撮って確認したり、信頼できる同僚や家族、他業種の営業マンに見てもらうことも効果的です。
ネクタイやスーツの色が第一印象を左右する
色には心理的な効果があり、営業マンの印象にも直結します。例えば、青やネイビーは「誠実さ」「信頼感」を与える色として知られています。初回訪問や初対面の場では青系のネクタイやスーツが無難です。
一方、商談の終盤や契約クロージングの場では、赤やワインレッドのネクタイが「情熱」「自信」を演出し、後押しになります。
これは政治の世界でも使われる戦略で、米国大統領選挙の候補者も演説や会見で場面に応じたネクタイの色を使い分けています。
営業マンも同様に、お客様との関係性や商談ステージに合わせて色を戦略的に選ぶことで、無意識に相手の心に良い印象を残すことができます。
営業カバンは「くたびれ感ゼロ」が鉄則
意外と見落とされがちなのがカバンです。ヨレヨレになったバッグや、取っ手がほつれているような状態では、商品の品質や営業マンの信頼性まで疑われかねません。
営業カバンは黒や茶色など落ち着いた色を選び、型崩れしにくい素材で、常に清潔感を保つことが大切です。
高額商品や法人向け営業では、上質な革製カバンや有名ブランドのシンプルモデルを選ぶとさらに信頼感が高まります。ただし、必ずしも高級ブランドが必要というわけではありません。
重要なのは「お客様にどう見えるか」という視点で、価格よりも清潔感ときちんと感を優先することです。
腕時計は営業マンの「信頼アイコン」
最近ではスマホで時間を確認する人も多いですが、営業現場では腕時計を着用することをおすすめします。
理由は、お客様の前でスマホを取り出すと「通知が気になっている」「別の用事がある」と誤解される可能性があるからです。
腕時計はシンプルな白文字盤のアナログタイプが無難で、派手な金色や宝飾入りは避けたほうが無難です。
特に男性営業マンは時計にこだわりがちですが、あくまで「相手に不快感を与えない」「信頼感を与える」ことを基準に選びましょう。
ボールペンは「契約時の演出小道具」
商談や契約書への署名の際、営業マンが差し出すボールペンは意外とお客様に見られています。
高額契約の場面で、プラスチック製の安価なノベルティペンを出すと、それだけで信頼感が損なわれることもあります。
数千円〜1万円程度の重みと高級感のあるペンを用意することで、契約の瞬間に「しっかりした会社」「信頼できる営業マン」という印象を与えられます。
また、男女で書きやすいサイズや重さが異なるため、男性用と女性用の2種類を用意しておくと細やかな気配りとして喜ばれるでしょう。
靴は「営業マンの戦闘靴」常に磨き上げる
営業マンの足元は意外とチェックされています。訪問先で靴を脱ぐ機会がある業種では特に重要です。
靴は常に磨き、かかとのすり減りや汚れを放置しないこと。新品のように整えられた靴は、それだけで清潔感と信頼感を演出します。また、靴を揃えて脱ぐ、向きを変えるなどの所作も好印象を与えるポイントです。
営業の現場はまさに戦場であり、靴は営業マンにとっての「武器」のひとつ。自信を持って商談に臨むためにも、足元の手入れは欠かせません。
スキンケアで健康的な印象をプラス
顔色や肌の状態も第一印象に大きく影響します。特に男性営業マンはスキンケアを軽視しがちですが、保湿や日常的な手入れをすることで健康的でエネルギッシュな印象を与えられます。
訪問前に保湿クリームを軽く塗るだけでも顔のツヤや血色が良くなり、お客様から「元気そう」「感じが良い」と思われやすくなります。
今は男性用のスキンケア商品も豊富で、簡単な洗顔・化粧水・乳液の3ステップを日課にするだけでも十分効果があります。
まとめ:営業マンの見た目は「営業成績」に直結する
営業で成果を出すためには、商品知識や提案力だけでなく、「お客様からどう見られるか」を常に意識することが欠かせません。
服装、色使い、持ち物、身だしなみの一つひとつが、信頼感や好感度を左右します。そして見た目を整えることは、相手の印象だけでなく、自分自身の自信やモチベーションにも直結します。
今日からできる靴磨きやスキンケア、色選びから始め、徐々にアイテムをアップデートしていくことで、営業マンとしてのブランド価値を高められるでしょう。
第一印象は一度きりしか作れません。だからこそ、見た目の戦略を持つことが、売れる営業マンになるための第一歩なのです。