【売上は虚栄、利益が実態】社会貢献や理念経営を掲げている2代目3代目の社長・経営者が陥りがちな罠

2023年に47都道府県開催した『売れる仕組み戦略10メソッド速習講座』。

おかげ様で237名の社長・経営者の皆さんが全国各地の会場に集まりました。

1会場あたりは少人数でしたが、その分お一人おひとりと対話させていただける時間も多く、私にとっても気づきやヒントがありました。

実は、愛知会場に参加された地元経営者の方から、講座開催後に「期待を超える内容ではなかった」と約1時間のお叱りを受けたことがありました。

「これからは地域産業への貢献や地域密着でのビジネスを考えなくては将来性がない。地域住民が顧客なんだ。」と。

その経営者の方は、運輸業や遺品整理、飲食店、美容室経営など、地域密着で多角的な事業展開をされています。

まさに地域社会が顧客という感じです。

直接厳しい言葉をちょうだいしたのは久しぶりでしたので、とても感謝しています。

しかし一方、厳しい言葉の中にも詳しくご状況を伺ってみると、売上に対する利益率がかなり低い事業が多く、中には採算が合わずに赤字に困っている事業もあるようでした。

事業領域に制限をかけず、地域という「面」を抑えてエコシステムをつくるような戦略は一つの方法ではあります。

PROFIT ENGINEの売れる仕組み戦略の全てをそのまま適用できるわけではないかもしれません。

ただ少なくとも個別事業をきちんと儲かる状態に仕立てることができなければ、結局は地域貢献や雇用を継続することができません。

先代より事業を継承し、社会貢献や理念経営を掲げている2代目3代目の社長・経営者ほど、既存事業に行き詰まりを感じて脈絡なく事業を多角化してしまい、悪い意味で散漫になりがちではないでしょうか。

「売上は虚栄、利益が実態」

うちの顧問税理士と話していても、表向きには多種多様な事業展開をしていて、見栄えがよくカッコよさそうに思えても、売上規模が大きいわりに利益がほとんど残っていないか、赤字経営に陥っていて実は資金繰りに奔走している会社もよくあるようです。

そんな社長・経営者ほど、外から持ち込まれたM&AやFC事業に乗りがちだそうです。

誤解のないように補足すれば、事業の多角化が悪いわけではありません。

地域貢献、地域密着での事業展開を軸に組み立てることは素晴らしいことです。

ただ今日あなたに伝えたかったことは、人口減少時代に右肩下がりと言われる日本経済で、1つ1つの事業をきちんと儲かるように仕立てる戦略や技術は、誰かが代わりにやってくれるものではありません。

今までの常識ややり方の延長線上にあるものでも、その辺に落ちているものでもありません。

むしろ社長・経営者自身が熟知、熟達しておくべきメインテーマではないでしょうか。愛知会場の社長とはじっくり会話して理解しあえたので良かったです。