GoogleやYahoo、LinkedIn、Airbnbに学ぶ、社員スタッフが学習成長し続ける仕組み。働かないおじさん問題を解決するヒント。

私たちのクライアントに、ミドルシニアのキャリア自律を目的とする教育研修サービスを提供している会社があります。

主な顧客先は従業員1,000名超の上場企業です。

いわゆる「働かないおじさん問題」。

会社員として働いてきた50代にとって、20代30代の頃にイメージしていた60歳や65歳で定年を迎える状況とは、かなり様相が違うのかもしれません。

70歳定年の努力義務を企業に課し、世の中は80歳まで働く時代だというムードもあります。

しかし、定年がどんどん延長される一方で、変化の激しい時代に対応できないミドルシニア社員は、給料はガクッと落とされ、実質戦力外通告となり、意気消沈状態になり、お荷物扱いのようになってしまいます。

仕事のやり方やスピードに付いていけずに、自分が若手社員や周囲に迷惑をかけているとさえ感じる場合もあるそうです。

企業側も事業成長や業務遂行にとって、成果に繋がらない・足手まといになる社員に、高い給料を払い続けるわけにもいきません。

◾️組織ファーストな世代に個人を問う

現在のミドルシニア層は、企業戦士・組織人として活躍されてきた方が多い世代です。

会社内にとどまるにせよ、次のキャリアを模索するにせよ、一個人として何ができるか・何をやりたいか・どう生きたいか、を考えなくてはなりません。

しかし、何から考えれば良いのかそもそも要領を得ないのです。

リカレント教育、リスキリングという言葉も社会へ浸透してきましたが、そもそも自分が何を目指し、何を学ぶべきなのか、組織ファーストで生きてきた世代にとって簡単なことではないのでしょう。

「働かないおじさん問題」というネガティブなラベル付けをしたところで、なんの解決にもなりませんね。会社側もミドルシニア側も、生きるために共に向き合う課題です。

◾️世界トップ企業の学習成長サイクル

私は今、GoogleやYahoo、LinkedIn、Airbnbの社員が学習成長する仕組みを調査中です。

私の会社ではミドルシニア世代の社員は一人もいませんが、メンバー一人ひとりが成長した分だけ、私たちのビジネスもより成長できるし、顧客への貢献度もUPすることができるはず。

もっと強いチームづくりのために、世界を代表する企業の学習成長サイクルを学んでいます。

「パーソナライズされた学習」
「現場での実戦アウトプット」
「社内外からのフィードバック」
「再考・振り返り」

これらの4要素があるようです。

ミドルシニアに限った話ではなく、社員スタッフが学び続け、成長し続ける基本サイクルです。

パーソナライズされた学習とは、一個人ごとに過去に蓄積してきた知識やスキル、経験、好き、強みの中に動機付けを見出し、画一的な研修ではなく、一人ひとりに合った学習リソースやステップを用意することです。

現場での実戦アウトプットとは、学んだ知識を実務行動に移し、継続することによって、知識をスキル、成果に変えていくことです。

社内外からのフィードバックとは、学習と実戦を通じて生まれたアウトプットに対する、会社やチーム、市場や顧客からの定量的・定性的評価を受けることです。

そして、再考・振り返りとは、フィードバックをもとに、次の目標を立てたり、学習と実戦のテーマを決めたり、アウトプットの改善方法を探ったりすることです。

◾️ビジョンや目標からスウィートスポットを

今のところ、私が鍵だと感じている点は、「会社と個人の求めるアウトプット・欲しいフィードバックを一致させる」です。

会社が求める実戦アウトプットに個人が合わせるとか、個人がただ好きでやりたいことを会社が認めるとかではなく、個人のやりがいと事業成長の重なるスウィートスポットを見つけること。

そのためには、会社側は、事業成長に必要な仕組み・実戦アウトプット・目標とする成果が明確になっていること。

個人側は、自身の知識・経験・強み、社内外からどのようなフィードバックを受けるとやりがいや喜びを実感できるのかを探ること。

すると、目指す目標、現状の自分や数字とのギャップを埋めるために、個人が何を学ぶべきかが自ずと決まるのではないでしょうか。

社員の学習成長サイクルを組むことは、強いチームであり続けるために必要な仕組みなので、もっと探求して、あなたにもシェアしていきますね。