『キーエンス』最強営業組織の秘密。営業利益率55%超、社員の平均年収2,000万円超、従業員1人あたり営業利益約4,800万円のメカニズム。

従業員1人あたりの営業利益は、約4,800万円。

書籍『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』が売れていますね。あなたも読みましたか?

営業利益率は脅威の55%超、社員の平均年間給与は2,000万円超。

従業員1人あたりの営業利益は、約4,800万円。競合であるオムロンの15倍、ファナックの2.2倍です。

日本の時価総額ランキングで第3位に入るのがキーエンスです。

日本を支えてきた製造業の弱体化が指摘される中、なぜキーエンスはこれだけの結果を残せるのか。

その神髄は顧客の心をつかむ営業や商品開発、人材育成の仕組みにあると解説されています。

キーエンスの強い営業組織の秘密から、私たちが今日から真似できる3つのポイントをシェアします。

◾️最強キーエンスの秘密3選

1)日次で高速PDCAをまわす

営業やマーケが強い会社と弱い会社で決定的に違うのは、PDCAのサイクルを短いスパンでまわす点です。

営業やマーケが弱い会社は、PDCAを四半期や月次でまわしています。一方、キーエンスのような営業ファーストな会社では、週次や日次でまわしています。

ご存じのように、PDCAとは、計画、実行、評価、改善のサイクルです。

「今月はどうだった?来月はどうする?」と月例報告で振り返る会社と、「今日はどうだった?明日はどうする?」と毎日やり合っている会社。どっちが伸びると思いますか?

2)行動や時間の使い方に基準がある

キーエンスでは、現場の営業社員の行動や時間の使い方に、明確な基準が決まっています。

たとえば、営業社員は週3〜4日を外回りに充て、1日あたり5〜10件訪問します。

外回りに出るために必要な最低アポ件数が決まっていて、最低数に満たなければ外回りに出ることはできません。すでに入っているアポは断らなければならないのです。

個々の訪問は、商品購入してもらうための訪問か、購入のタイミングを知るための訪問か、相手先のキーマンを探すための訪問か。

前日には、翌日の顧客訪問の目的を明確にします。「なんとなく、訪問した」「できるだけ、電話した」のような曖昧さは許されません。

3)セールスプロセスに基準がある

営業社員は1日の顧客まわりを終えて帰社すると、その日の行動を5分刻みで日報に書いて報告します。

商談した顧客のニーズ、実機を使ったデモの有無、顧客の反応も記録します。

そして、次への打ち手や改善について、上司と話し合ったり、先輩からアドバイスを受けたりします。

キーエンスでは、工場や現場に密着して顧客のニーズをヒアリング・観察により汲み取る力、ソリューションの価値をプレゼンするセールス力を磨くことを組織単位で取り組んでいます。

ロープレ1000本ノックもその一つ。

販促チームが作ったセールスプレゼンの台本スクリプトをもとに、商談の質をUPするための顧客ニーズのヒアリングやプレゼン能力を毎日毎週トレーニングしています。

◾️日次PDCAこそ、全ての起点

以上、今日はキーエンスの強さの秘密を3つ解説しましたが、起点となるのは、1つ目の日次PDCAだと私は思います。

まず、「日次PDCAをまわす」と決めることです。

すると、毎日、何を計画するか、何を実行するか、何をどのように評価し、何を改善するか。日次PDCAで追いかけるべき内容や項目を考え始めるでしょう。

さらに、日次PDCAに取り組み始めると、逆説的に目標数字や目標達成についても向き合い始めるでしょう。

毎日、正確な数字を把握するための方法や改善するための研修トレーニングも模索し始めます。

おそらく、日次PDCAをまわすと決めれば、最初は他の社員や営業メンバーからは、ものすごく嫌な顔をされるんじゃないかと思いますね笑

「また社長が面倒なことを言い出した」「毎日詰められるのはストレスだ」とか笑

でも、どんな事業をやっているとしても、本気でビジネスを伸ばしたいなら、PDCAは日次です。営業でもマーケでも同じです。

私たちのクライアントでも、日次PDCAにシフトした会社は業績UPしています。いまのところ、例外はありません。日次PDCAをやると決めるだけで、いろいろな物事が動き出します。

ぜひ試してみてください。