ジャパネットの成長戦略8つの秘訣③事業承継期!偉大なる創業者から承継した敏腕2代目経営者の戦略とは。

実店舗型の家業だったジャパネットが2500億円企業になるまでの成功の軌跡。

そこから、私たちの売れる仕組み戦略にも生かせる8つの秘訣を学ぶ、3部作。今日はジャパネットの成長戦略のパート3、最終編です。

(6)カタログDMで顧客を離さない

ラジオ通販からテレビショッピングや新聞広告などのマルチチャネル展開で一気に全国区へ。そして、創業者・高田明氏の知名度も全国区になりました。

現在は、野村證券に勤務を経て継承された息子さんの手腕で、さらなる成長を遂げているジャパネットです。

強化している取り組みの一つに、新規客獲得中心から既存顧客との関係維持への戦略シフトがあります。

ラジオ通販・テレビ通販・新聞広告などのマルチチャネル展開の主目的は、あくまでも新規顧客獲得です。しかし、販売力が強みのジャパネットとは言え、どんな商品サービスでもサクサク売れるかというと、そうではありません。

新規顧客の獲得は、すべてのビジネスにとって最も難しい課題です。ジャパネットの場合、テレビショッピング番組そのものにファンも多く、既存顧客のリピート購入・ファン化も兼ねているとはいえ、既存顧客をリピーターへ導く仕組みはありませんでした。

息子さんの代になって、通販カタログを郵送DMとして定期送付することによって、「テレビショッピングや新聞広告をまた見てください!」だけに依存しない、既存顧客のくり返し購入を促進する仕組みを定着させました。

補足ですが、デジタルやオンライン一辺倒の現在でも、紙の郵送物・販促物は実はとてもパワフルです。

販売促進費の投資対効果ROI・ROASとしては、郵送DMは相当に効果的ですよ。私たちも既存のお客様向けにキャンペーンを企画し、販促の郵送DMによってお知らせしています。

(7)メンテナンスで顧客を離さない

ジャパネットのトップが息子さんに代替わりしてから、既存顧客を離脱させない仕組みを強化しています。通販カタログの郵送DMはその1つですが、他にもう1つあります。

それは、お客様が購入した商品、特に家電製品の故障・不良を修理するメンテナンスサービスをジャパネットで受けるようにしたことです。

以前は商品を販売して終わり、だったわけですが、故障・不良への対応、さらにはコールセンター体制の充実により不満・要望を把握することで、既存顧客のお困り事や不満足を放置させない仕組みを作りました。

顧客が離脱する理由はいくつかありますが、一番は企業側・販売者側が顧客の商品購入後に無関心・知らんぷりであることに原因があります。適切なタイミングで適切な対応ができませんね。

修理メンテナンスをジャパネットで受けることによって、お客様の側からタイミングも適切な対応も手が上がる仕組みを作ることに成功しました。

さらには、家電メーカーへのフィードバックや自社商品の企画開発、販売時のオファーやセールスメッセージの改善にも反映させることができるわけで、メリットばかりです。

(8)高単価・サブスク商品を導入する

以前のジャパネットは、メーカーの商品を仕入れて、テレビショッピングや新聞広告などで販売をしていました。数千円から数万円、高額でもノートパソコン20万円くらいの価格帯がメインだったでしょうか。

しかし、現在では、もっと高単価な商品も売っています。メーカーや他社とのタイアップのもと、ジャパネット限定として企画販売しているんです。日本や世界を巡るクルーズ船旅行プランはその1つですね。

また、サブスク商品も拡充させています。以前はローヤルゼリーのサプリや南アルプス天然水のウォーターサーバーくらいでした。現在では、全国から肉や果物の厳選名産品が毎月届く定期便など、ジャパネット自社の独自商品として、様々な定期便コースを企画提案しています。

結果、ストック型の収益の柱がより一層強化されるだけでなく、サブスク商品の最大の特長「商品サービス形態そのものに顧客維持のフォローが組み込まれている」ことによって、さらに安定成長の経営基盤が盤石になっています。

以上、3回にわたり、ジャパネット成長戦略を特集してきました。

今日ご紹介した3つの秘訣は、新規集客・新規顧客獲得に意識が寄りがちな私たちに、いかに既存顧客のリピート購入してもらうか、いかに既存顧客を離脱させないか、その重要性を教えてくれていますね。

ジャパネット成長戦略のエッセンスを、自社にどのように応用できるでしょうか。ぜひ実践していきましょう!