中小企業の採用戦略は、大手・隣近所と同じではダメ?即戦力・有資格者を確保するための方法は?

コロナ禍が明けつつあり、人材需要も戻ってきて、求人広告市場が活況ですね。

しかし、人材需要が戻ってきて積極採用したいと思っていても、だからと言って企業が欲しい人材を実際に採用できるかどうかは別問題。

むしろ、求人市場の競争が激化することにより、採用がうまくいく会社とうまくいかない会社の差がより一層浮き彫りになることが想定されます。

大手有名企業や採用力の高い企業が他を圧倒するほどの採用広告費を投資できたり、より魅力的な条件提示やPRをして、ますます人材を惹き寄せるでしょう。

一方で、その他の企業は求人広告を出しても欲しい人材から応募が来ない、採用できないという状況に陥ることが容易に想像できます。

特に、もともと有効求人倍率が非常に高い業界や職種については、企業側の需要に応える人材がそもそも圧倒的に不足しています。

大手と同じ戦略では勝てない

たとえば、IT技術者は、低めに見ても、有効求人倍率は8倍以上。

AI・機械学習・データサイエンス領域のITエンジニアやデータサイエンティスト職種で言えば、一定の実務経験を持つ即戦力人材の獲得は、至難の業です。

先日は、「IT技術者の市場価値が高騰している」というニュースもありましたね。

流通・小売業のようなデジタルトランスフォーメーション(DX)の緊急性が高い業種ほど、高給を支払ってでもIT技術者を採用したいニーズが高いようです。

イオンやビックカメラが相次ぎ新会社を設立し、優秀な人材には2000万円近い給与を提示するなどの事例もあります。

大手有名企業ならば、より魅力的な条件提示や採用PRができますが、逆に言うと、大多数の中小企業にとっては厳しい採用環境です。

会社の知名度もブランド力も乏しく、好条件を提示できるわけでもなく、採用広告や採用PRに大手並みの予算を投資できるわけでもない。

要するに、企業は人材を欲しがるものの、需給バランスの崩れた職種、かつ実務経験を持つ即戦力人材にとっては、自由に選び放題な市場環境である中で、「選ばれる理由」をつくり出せない大多数の中小企業は、結局、人材確保が難しいままです。

IT技術者派遣会社の成功事例

では、どうすればいいのでしょうか。

私たちのクライアントにAI・機械学習・データサイエンス領域のITエンジニアやデータサイエンティストを100名ほど抱えている会社があります。

ご縁をいただいてもうすぐ3年。もともと70名弱でしたので、3年で+30名程度増えています。

エンドクライアントとの直取引を開拓するBtoBマーケティングの仕組みづくりに加えて、採用マーケティングの仕組みづくりもご用命いただいています。

草の根活動としては、もともと求人広告掲載や人材紹介会社経由がメインでしたが、Greenやdoda recruiters等のダイレクトソーシングからの個別スカウトメール配信を改善することにより、派手さはありませんが、毎月数名の即戦力人材を採用できています。

さらに、現在取り組んでいるのは、『アカデミーメソッド』という私たち独自の採用マーケティングの仕組みです。

簡単に言えば、自前の教育講座やコミュニティサービスを立ち上げ、自己投資して学びを得たい、前のめりで成長志向の強い人材が集まる場を形成し、そこから自社採用へ引っ張りあげるという仕組みです。

一般的な採用手法とはまったく異なる戦略ですが、大手有名企業にも真似されにくく、中小企業にとっては「もうこれしかない!」と思えるほど強力な仕組みです。

ゼロから仕組みを構築するのにちょっと手間や時間がかかること、そして少し高度なマーケティングの仕組みが必要なのが難点ですが、むしろそこが競争優位性にもなります。

私たちのクライアント10社では、稼働から半年経過する頃にはいずれも十二分な採用成果を達成できています。

『アカデミーメソッド』やダイレクトソーシングは、PROFIT ENGINEというよりは、採用マーケティングの仕組み戦略をシェアする『HR Advantage』のテーマなので、また別の場所と機会で詳しく話しますね。

またお知らせするので、楽しみにしていてください。

ITエンジニア採用に限らず、私たち中小企業の採用戦略は、大手や隣近所と同じ戦略では勝ち目がありません。

「選ばれる理由」をいかにつくるか、いかに「選ばれる理由」を知らせるか、そして、他と比較されにくい状況をつくるか。そんな視点で自社の採用戦略を考えてみてください。