米Googleのヘルスケア事業拡大と、ソフトバンク孫正義の新規事業の発想法
米Googleがヘルスケア事業を拡大する方針です。カレン・デサルボ最高健康責任者(CHO)は、AIなどを駆使したヘルスケア分野の革新を目指すとのこと。
Googleは、2021年1月、米フィットビットを21億ドル(約2,700億円)で買収しました。
日経新聞の取材によれば、フィットビットのウェアラブル端末、腕時計型端末(スマートウォッチ)やスマホを通じて得たデータを、健康管理や病気の予防に活用していくそうです。
たとえば、心拍の状態から不整脈の一種である心房細動を検知する新手法が、米食品医薬品局(FDA)から認可を受けました。心房細動の患者は、世界中で3千万人を超えるそうです。
また、スマホの内蔵マイクで心音を捉え、大動脈弁狭窄症などの疾患の発見につなげるような、聴診器の役割を果たせないかと研究を進めています。
2020年のダボス会議でも、スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が「ヘルスケア分野は、今後5〜10年間で最も大きな発展の可能性を秘めている」と発言。ヘルスケアがいかにGoogleの注力領域かがわかります。
私たちのような中小ビジネスは、Googleのようなビッグカンパニーの発表や動向から、何を感じ取ることができるでしょうか。
昔、ソフトバンク孫正義会長が、日本マクドナルドの藤田田さんのところへ押しかけ、これから事業を始めるならどの分野が良いかと問うた話は有名ですよね。藤田さんは、コンピューターが良いでしょう、と答えたそうですね。
そこで孫さんは、今後の著しい成長が見込まれるコンピューター、PCの分野へ参入したいと考えました。
でも、大手企業のような資金力・技術力などのリソースを確保することは難しく、コンピューターど真ん中で勝負するのは、まだ太刀打ちできないと。。そこで、成長分野から派生する周辺領域なら参入できるかもしれないと考え、ソフトウェアの卸売業に選択と集中をしたわけです。ソフトバンクの社名の由来ですね。
Googleの動向に限らず、ヘルスケアが成長市場であることは、誰もが容易に想像がつくことでしょう。
その中で、ヘルスケアど真ん中では勝負できなくとも、市場成長や技術革新に派生する周辺分野で、自社にチャンスはないだろうかと発想してみてはいかがでしょうか。
ものすごい、事業成長の機会が見つかるかもしれませんよ。