Web広告代理店が機能しない理由

「Web広告=代理店に任せるもの」と思っていませんか?でも実際に任せてもうまくいかなかった経験ありませんか?その理由はなぜでしょうか...

私たちのクライアントに、建設業に特化した外国籍採用支援を提供している会社があります。主にベトナムで建設系・理工系大学を卒業見込みの学生に、現地大学とタッグを組んで12〜18ヶ月の日本語教育プログラムの提供と、日本企業とのマッチングをする現地面接会の企画運営を行っています。

ベトナムの建設系大学では、日本とは違い、BIMやCIM、CADなどのかなり実践的なスキル教育を積んでいるので、設計職なら、新卒でも若手即戦力に近い感覚で採用できるメリットがあります。圧倒的に人手不足の施工管理職も、当初の日本語能力に多少の課題はあるものの、勤勉で資格取得にも積極的なので、3年先の未来を見据えれば、採用メリットは大きいのが特長です。

とはいえ、「うちに外国籍人材が入ってきても、育てている余裕がない」「今いる社員たちが受け入れられるだろうか」など、初めての外国籍採用に抵抗を示す企業も多いのが現実。新規営業に苦戦していました。

うちとご縁をいただく前は、テレアポ代行会社にアポ単価を設定し、新規商談獲得をアウトソーシングしていました。しかし、確度の薄いご挨拶アポばかりで、1年で新規受注はゼロでした。既存顧客からの紹介で少しずつ新規を広げてはいましたが、事業上の目標数字は遠いのが実情でした。

今では私たちと一緒に、BtoB新規開拓の仕組みづくりに取り組み、反響型で問合せや資料請求、個別商談が待っているだけで集まるようになり、毎月数件の新規受注を継続して積み上げています。私信風DM、ニュースレターDM、Google広告、資料請求LP、ホワイトペーパー、メルマガ配信、動画コンテンツなどを組み合わせたシンプルな仕組みが、安定稼働中。

2週間前の定例MTGで、ずっとご一緒している事業責任者の方が、こんな質問をされました。

「以前、別のWeb広告代理店にGoogle広告運用を依頼した時は、さっぱりだったのに、なぜ村上さんにお願いしたらうまくいったんですか?」

自社内にWeb広告の知見がないと、Web広告集客=代理店活用と無意識に考えがちですよね?絶対NGとは言いませんが、基本うまくいかないでしょう。なぜなら、Web広告代理店は“広告運用”という部分や機能を担当するだけで、"売れる仕組み"という全体の成果を追求してはくれないからです。

インプレッション数やクリック数、CPM、CPC、CTRなどの指標は、すべて途中経過に過ぎません。たとえば資料請求CVやCVR、CPAも途中指標です。Web広告だけを近視眼的に見れば、途中指標が増えたり改善されたりするば嬉しいですが、だからと言って、売れる仕組み全体がうまくまわっているかというと、それはまた別の話ですよね。

欲しいのは、新規受注であり、顧客獲得であり、売上や利益、リピート注文ですよね。Web広告代理店に丸投げでは到底うまくまわりませんし、Web広告代理店側もCVのその先までを要求されても、彼らも困ってしまいます。

つまり、売れる仕組みづくりは誰かが代わりにやってくれるものではなく、自分で設計・構築・運用するものだということです。実際に広告運用パートを担当するのがWeb広告代理店だとしても、あなたは売れる仕組み全体が成果を生むために、彼らにどんな働きを求めていて具体的に何を達成してほしいのかを、明確に指示しなければなりません。

クライアントからの質問に対する答えは、「Web広告代理店は部分最適、私たちは全体最適という視点の違い」ということです。