ゴールドラッシュ戦略でビジネスを伸ばす!企業や人々の衝動やトレンドの矛先を読み取り、勝てるポジショニングを見つけ出す方法。

LEVI’S(リーバイス)がどのように誕生したか。勉強熱心なあなたもきっとご存じでしょう。

今日の内容は、19世紀に起こったゴールドラッシュ時代のLEVI’Sの戦略を、単なる昔話で終わらせず、現代の私たちがどのようにビジネスへ応用するかという話です。

まずは、ちょっとだけ復習しましょう。

LEVI’Sの戦略

1848年にカリフォルニア州サクラメントから始まったゴールドラッシュ。当時のアメリカは東海岸から西海岸への開拓時代で、未開拓の土地があふれていました。

そんな中、土地開拓の現場監督だったジェームズ・マーシャル氏が掘削により金を発見した事を、新聞社を所有していたサミュエル・ブラナン氏が公表。

これが、ゴールドラッシュの始まりでした。

「アメリカ川で砂金が取れる!」という噂は、あっという間にアメリカ全土に広まりました。

1848年には2万人にも満たなかった人口が、1849年には10万人を超え、1852年には25万人、1860年には38万人へと急速に増えました。

砂金での一攫千金を夢見て、人々が殺到して、金鉱を掘ったのです。

しかし、アメリカンドリームを叶えたのは、金鉱を掘りあてた人たちではありませんでした。彼らにサービスや物資を提供する人たちだったのです。

ゴールドラッシュの必需品になる

たとえば、金鉱を掘るにはつるはしやシャベルが必要であり、ゴールドラッシュに乗じて人々に大量のつるはしやシャベルを売りまくった人たちがいました。

あの有名なLEVI’Sも、ゴールドラッシュで金鉱を掘る人々のズボンがすぐにボロボロになって破れてしまう様子を見て、破れにくく丈夫なデニムを売りまくったことで台頭しました。

話をまとめると、ゴールドラッシュで儲けたのは、金鉱を掘り当てようと殺到した人々ではなく、彼らを相手に商売をした人たちだったということです。

この考え方を応用したのが、私が『売れる仕組み戦略レポート』でも時々話している「ゴールドラッシュ戦略」です。

ゴールドラッシュ戦略は、世の中の企業や人々を観察して、情熱やエネルギー、マネー、興味関心、行動の矛先がなにを目指して、どこを向いているのかを見極めます。

そして、需要に対して供給が圧倒的に少ないポイントを見つけ出し、彼らにとっての必需品(無くてはならない存在)になること、代替の効かない存在になることを狙うポジショニング戦略です。

現代のゴールドラッシュはどこに?

たとえば、「ゴールドラッシュ戦略」の例を挙げるなら、YouTube広告やTikTok広告はその1つ。

サイバーエージェントの調べでは、動画広告市場は直近3年で年30%超の成長率で伸びており、2022年には5,497億円、2025年には1兆465億円まで市場規模が拡大する見込みです。

広告動画は、単なるお役立ち動画やエンタメ動画とは違い、集客・販売用のコンバージョンを獲得するための広告動画です。まったく仕立て方が異なります。

セールスライティングの技術を駆使して、広告動画用の台本やシナリオを書き、さらに結果を出せるような動画演出を仕立てられる人は稀有です。

大変有難いことに、現在受けきれないほどの依頼や相談をいただいています。

ゴールドラッシュの未来予測

もちろん市場環境は変化します。ずっと同じで良いわけではありません。

今後の競争環境や需給バランスの変化にあわせて、私はターゲットや問題解決ポイントを絞り込むタイミングを常にウォッチしています。

たとえば、20代30代女性向けコスメを販売する専門のYouTube広告など、顧客対象や目的をより細かく絞り込み、ニッチ化することで差別化を図るのは、王道的なポジショニングのズラし方です。

恐怖や不安の高まりを探す

ゴールドラッシュ戦略は、企業や人々の衝動やトレンドを読み取るという意味合いだけではありません。「恐怖」「不安」の高まりも戦略の対象となります。

たとえば、企業にとって「営業社員の離職率の高さ」というのは、かなり深刻な問題ですよね。

なぜなら、営業社員のマンパワーに依存しているような企業は、営業社員が辞めれば辞めるほど業績を維持することが難しくなるからです。

新しい社員も簡単には採用できないし、採用できるとしても時間もお金もかかります。

社長も営業マネジャーも、いつ社員が辞めるかとビクビクしていたり、引き留めに内心は必死だったりしているでしょう。

だから、もしあなたが営業社員の離職率を改善するためのセールストレーニングや人事評価制度、メンタルケアなどの知識やスキルがあったらどうでしょうか。

企業研修やコンサルティング、カウンセリングの新規受注を獲得するのは、とても簡単そうに思いませんか?

「ゴールドラッシュ戦略」の良いところは、新規受注や問合せを獲得するのが簡単だということです。

高まる恐怖や不安、問題に対して、解決策の供給が圧倒的に不足しており、競合も少ないなら、売るのは簡単ですよね。

ゴールドラッシュとの関連付け

いまのビジネス、いまの商品サービスは、ゴールドラッシュとは関係ない?いいえ、そんなことは絶対にありません。

ビジネスを成長させる最も簡単な方法は、ゴールドラッシュに便乗することです。

企業や人々の情熱、エネルギー、マネー、衝動、恐怖の対象を読み取り、いまのビジネスや商品サービスを関連付けられないかと発想してみてください。

社員やメンバーの皆さんとブレストしてみてください。競合他社が気づいていない、ビジネス成長のヒントがきっと見つかると思いますよ。