天才建築家アントニ・ガウディの言葉。「創造的たろうとして脇道にそれてはならない。 通常なされていることを観察し、それをより良くしようと努力すればそれでよい。」

週末に、東京国立近代美術館の『ガウディとサグラダ・ファミリア展』へ行ってきました。

偉大なる建築家の生き方と作品を見に行ったのは、５年ほど前に国立新美術館でやっていた『安藤忠雄展』以来かもしれません。

建築家アントニ・ガウディ（Antoni Gaudí）は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したスペインの天才建築家です。

カタルーニャ地方のバルセロナを代表する芸術家として知られています。

彼の革新的なデザインと独創的な建築スタイルは、現代建築に多大な影響を与え、モダン・イスラム建築の代表的な存在として評価されています。

◾️未完の大聖堂サグラダ・ファミリア

ガウディは1852年にスペインのカタルーニャ地方で生まれました。

バルセロナの建築学校では毎日図書館にこもり勉強しながら、いくつもの建築事務所の仕事をかけ持ち。多様な美術・文化的要素に触れ、独自の視点で建築を追求しました。

ガウディの最も顕著な特徴は、自然からのインスピレーションと抽象的な形状を取り入れたデザイン。

代表作の1つは、未完の大聖堂「サグラダ・ファミリア」。

ガウディは1883年にこの建物の設計を引き継ぎ、その後生涯をかけて取り組みましたが、彼の死後も建設が続けられています。

サグラダ・ファミリアはその壮大なスケールと神秘的なデザインで知られ、現在も建設が進められています。

また、ガウディはパルク・グエル（Park Güell）と呼ばれる公園の設計にも取り組みました。

ガウディが生み出した「砕タイル」は、モザイクやカラフルなセラミックタイルで建物群を美しく装飾し、ガウディの非凡な芸術的センスを体現しています。

さらに、カサ・ミラやカサ・バトリョなどの住宅建築もガウディの代表作です。

彼はこれらの建物において、曲線的な形状やユニークな窓、意匠的なディテールを駆使して、建物そのものが芸術作品となるようなデザインを展開しました。

ガウディの建築は、現代の建築家や芸術家に大きな影響を与えており、彼のスタイルは独自性と美しさの融合を追求する姿勢から、多くの称賛を受けています。

でも、私が特に感銘を受けたのは、ガウディのつくった建築作品よりも、彼の哲学、考え方です。

◾️人は創造しない。独創性とは起源に戻ること

「創造は人を介して途絶えることなく続くが、人は創造しない。人は発見し、その発見から出発する。」

「創造的たろうとして脇道にそれてはならない。 通常なされていることを観察し、それをより良くしようと努力すればそれでよい。」

『ガウディとサグラダ・ファミリア展』で目にした彼の言葉です。

ガウディは他にはない独創的な作品や手法を生み出したと評価されていますが、彼自身は否定しています。

彼は、すべての着想やヒントは、すでに存在する歴史、自然、幾何学の３つの中にあると考え、熱心に学び、観察し、発見しようとしました。

私たちにも、同じことが言えるかもしれませんね。

DXだ、デジタルだ、AIだと変化が激しい現代でも、ビジネスの本質や原理原則は変わりません。

何十年や何百年も前から現在まで脈々と蓄積されてきた、人々や企業、ブランド、異業種の成功・失敗に学ぶこと。身近な会話や出来事、日常シーンの中から学ぶこと。

それらを観察・分析して、目に見える表面だけではなく、背景や思想、普遍性、法則性、パターン性を見出すこと。

そして、自社/自分にどのように応用できるかを、自分の頭や感性で考え、現場で実行して試すこと。

◾️私たちはカリスマ社長や天才マーケターになる必要はない

私たちは社長・事業リーダーとして成功するために、ゼロから何かを創造する必要も、天才発明家になる必要もありません。

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