急成長する採用支援会社の戦略と人材サービス業界の最新動向/株式会社foredge 代表取締役 古賀利幸
人材サービス業界は現在、市場規模4兆3500億円という巨大マーケットに成長し、日本総人材不足時代の中で拡大を続けています。
求人広告、人材紹介、派遣、採用コンサルティング、採用代行など多様なサービスが存在し、企業は採用活動を加速させる一方で、各社間の競争は年々激化しています。
特に採用支援市場は「超レッドオーシャン」と呼ばれるほど競争が激しく、成果を出し続けることは容易ではありません。
そんな中、異業種からも注目される急成長企業として存在感を高めているのが、株式会社foredgeです。
同社は不動産、金融、IT、物流、製造、アパレル、飲食、さらに外国籍採用やアジア各国でのグローバル採用まで幅広い分野に対応し、上場企業を中心に100社以上の採用コンサルティングや採用代行を手掛けています。
その代表である古賀利幸氏は、求人メディア運営企業での経験を経て、現場の課題解決を重視したサービス設計で市場に革新をもたらしてきました。
本記事では、古賀氏の起業背景や戦略、成果を出す企業の共通点、変化に対応する重要性、そして人材業界での長期的な成長を可能にする仕組みについて解説します。
起業の背景と採用支援への着眼点
古賀利幸氏が採用支援ビジネスに関心を持ったきっかけは、求人メディア企業での経験にあります。
前職では特化型求人サイトの運営を行っており、単なる媒体販売だけでなく、応募後の入社率向上が大きな課題でした。媒体を利用しても入社につながらなければ顧客満足度は低下し、リピート利用が望めません。
そこで古賀氏は、応募から採用までのプロセスを一括で担うオペレーション部門の立ち上げに関わり、現場で採用支援の実務を習得しました。
当時から媒体の特性上、どの企業にも汎用的に使えるわけではなかったため、サービス設計段階から顧客ごとに最適化された採用スキームを構築せざるを得ませんでした。
営業部門が短期間で大量採用を受注する中、1ヶ月で100名を採用するようなプロジェクトにも対応し、面接設定から候補者のクロージングまで全工程を代行することで結果を出しました。
この経験が後のforedge設立の基盤となり、古賀氏は「自社で採用プロセスを全てコントロールし、顧客の目的達成に直結する支援をしたい」という強い想いを抱くようになったのです。
成果を出す企業と出せない企業の決定的な違い
人材不足が深刻化する中でも、採用で継続的に成果を出す企業とそうでない企業には明確な差があります。
古賀利幸氏によれば、成功している企業の共通点は「欲しい人物像が明確で、それが組織全体に浸透していること」です。
経営層と現場、人事部門の間で求める人物像の認識が一致している企業は、採用戦略を一貫して実行できます。加えて、変化に柔軟に対応できる姿勢も重要です。
例えば、コロナ禍以前は履歴書は手書きが必須という企業も多かった中で、成功企業は早期にオンラインエントリーや面接回数削減など効率化施策を導入しました。
こうした企業では、採用支援会社が提案する新しい手法を即座に取り入れ、面接フローの短縮や評価基準の見直しをスピーディに実行します。
一方、変化に対応できない企業は、現場の抵抗や古い慣習に縛られ、採用競争で不利な立場に立たされます。この違いが採用成果に直結し、競争の激しい市場での成否を分けています。
採用支援会社が果たす役割とガイド力
採用コンサルティングや採用代行の効果を最大化するためには、単に候補者を集めるだけでなく、クライアント企業の採用方針やプロセスそのものを改善するガイド役が欠かせません。
foredgeは、経営層から現場まで求める人物像を共通言語化し、選考フローや面接基準を最適化するサポートを行います。
また、デジタル対応や採用手法のアップデートを促し、クライアントが市場の変化に追いつくよう支援します。
このガイド力により、企業は短期間で採用効果を高めることが可能になります。特に資金や人材リソースが限られている中小企業では、採用支援会社の知見と実行力が成果の鍵を握ります。
foredgeは、提案型のコンサルティングにとどまらず、必要に応じて説明会や社内研修を代行し、変化の浸透を加速させることで評価を得ています。
固定観念を打ち破るための引き出しとノウハウ
変化に対応できない企業の多くは、課題認識がずれていたり、重要でない部分に固執していたりします。
また、「昔ながらのやり方で来る候補者は良い人材」という固定観念にとらわれ、新しい採用手法を受け入れられないケースもあります。
foredgeはこうした固定観念を打ち破るための多様な引き出しを持ち、業界や職種ごとに最適な採用戦略を提示します。
同社の強みは、特定の媒体や人材紹介会社に依存しない中立的な立場から最適な採用チャネルを選定できることにあります。
さらに、顧客が希望すれば採用ノウハウを内製化できるよう仕組みを構築し、場合によっては同社のオペレーション担当者が顧客企業に転職して人事部門を担うケースもあります。
この透明性と顧客主導の姿勢が、長期的な信頼関係と口コミによる新規案件獲得につながっています。
人材業界で長期的に活躍できる人材を育てる環境
人材サービス業界は離職率が高い業界として知られていますが、foredgeには長く活躍する社員が多いのも特徴です。その理由の一つは、多様な業界の採用支援に携わることで得られる経験値の高さです。
入社初期は業界横断的な知識や手法を習得する必要があり負荷は大きいものの、一度基盤を身につければ多様な事例に対応できるようになります。
経験を積むことで転職市場での市場価値も高まり、社内外で成長し続けられる環境が整っています。
また、採用手法や市場トレンドは常に変化するため、新しいプロジェクトごとに学びがあり、飽きのこない職場環境が形成されています。
こうした環境要因が、結果として優秀な人材の定着につながっているのです。
まとめ:超競争市場で成果を出すための条件
人材サービス業界で成果を出し続けるためには、欲しい人物像を明確にし、組織全体に浸透させること、そして市場や求職者の変化に即応する柔軟性が不可欠です。
採用支援会社は、その実現をサポートするためのガイド役として、戦略立案から実務代行、さらには内製化支援まで一貫して担うことが求められます。
foredgeのように豊富な引き出しと実行力を持つ企業は、固定観念を打破し、短期間で成果を上げるための切り札となります。
競争が激化する採用市場において、自社だけでは変革が難しい場合、外部の専門家と協力することが採用成功への近道となるでしょう。