『まず相手から始めよ』採用やチームマネジメント、マーケティング、商品企画のすべてに通じる「経営と人生の原則」とは。

私は大学時代に働き始めました。完全歩合制営業、フルコミ営業の仕事でした。今の言い方では、”フリーランス営業”でしょうか。

その後、様々なご縁が繋がり、クライアントからの要望に応えようともがくうちに、現場でのセールスから、集客・販売の文章やシナリオ、Webや飛び道具を駆使したマーケティング、売れる仕組み全体をつくる仕事が増えました。

また、クライアントをサポートするだけでなく、20代の頃から、スモールですが、安定性・収益性の高いビジネスをつくることも経験してきました。

◾️分かり合えない親子関係

私の家族や親戚にも、ある意味、似たような道を選んでいる人がいます。

たとえば、私の妹は、薬膳・漢方のエキスパートです。結婚し、一人息子を育てながら、自宅オフィスでフリーランスとして仕事をしています。

食事を変えることで美肌、ダイエット、バストアップ、メンタルヘルスなどを目指す体質改善プログラムをオンラインで提供しています。

私の従兄は、京都でゲーム会社を経営しています。世界13ヶ国から優秀なエンジニア、クリエイターを雇い、ヒット商品を送り出しています。

フットワークが恐ろしく良く、ユーモアがあり、人付き合いや営業から抜群のセンスで新しいプロジェクトを生み出しています。

しかし、私たちの家系は、親の代まで、まったく商売やビジネスとは無縁の一族でした。

公務員、教師、銀行員など、いわゆる”かたい職業”に就いていた人ばかり。私の親も、父は国土交通省の役人、母は小中学校の国語教師でした。

そんな親世代からすれば、私や妹、従兄の生き方、働き方、稼ぎ方というのは、まったく理解の範疇を超えていて、以前はよく言い合いをしたものです。

拉致のあかない議論にも疲れて、理解されることをあきらめるようになりました。

◾️人は変わる、時とともに

なかなか理解し合えないままでしたが、ここ数年、両親のものの見方も変わってきたように思います。

おそらくコロナのこともきっかけとなり、”常識”や”普通”の概念がまったく変わってしまったことを実感しているのでしょう。

そのせいか、両親も私世代の人生選択を、相変わらず理解できない、よくわからない、危なっかしいとは思いつつも、「世の中は変わる、人生もいろいろ」と許容しようとしているのかなと感じる節が増えました。

徐々に高齢の域に入ってきているせいもあるかもしれませんね。

逆に、私の側も歳を取っていく親世代が、会うたびにモノの見方や価値観、発言が変わっていくのを興味深く聴くようになりました。

◾️100%、相手に焦点をあてる

生き方や価値観は人それぞれ。顧客や社員メンバーについても同様です。そして誰しも、生き方や価値観は混沌とした中で変容していくものです。

私たち社長やリーダー、マーケターの役割を担う者は、一方的に会社都合や自己都合を通そうとするのではなく、誰かを説得しようと熱くなるのではダメですよね。

自社の想いや自分の意見を推すよりも前に、まずは顧客や見込客、社員メンバー、求職者たちが何を信じ、何を考え、何を感じているのかに焦点をあてること。100%、徹底的に。

そうして初めて、すべてに完璧に応えることはできなくとも、どのように応えられるか、どうやって寄り添えるか、自然と見えてくるものなのかもしれません。

身近な人ほど、あたり前のようで案外難しいのかもしれません。自戒の念も込めて。

マネジメントとは「人」のことである。マーケティングとは「人」のことである。ピーター・ドラッカー氏の教えですね。

母にホワイトデーのお菓子を送りました。喜んでもらえますように。