カッコ悪い起業

「心のダークサイド」に抗えず、勢いまかせに独立起業した人はいませんか?

そして後から、「大したプランもないのに、こんな動機で会社を辞めてもうまくいくわけないよな...」と悔やんだことは?

私の最初の一歩も、立派な動機や大義名分もなく、プランもありませんでした。

当時は大学3年生。単位を落としまくって崖っぷちの状況で、何とか4年で卒業するために必死の毎日。

家賃や学費の支払いに困っていて、コンビニ弁当やおにぎりすら買うのをためらう生活でした。

そんな中、求人情報誌で「雑誌広告の完全歩合制営業、月収100万円以上も可能」という広告を見つけたんです。

大学に入ってから私はずっと劣等感に悩んでいました。

たまたま同級生たちがすごく裕福な育ちか、超エリートの優等生ばかりだったんです。

経営者や医者、大学教授を親に持ち、毎月たくさんのお金を仕送りしてもらって、マンションや車を買ってもらったと自慢しているリッチな大学生たちを心のどこかで羨ましく見ていました。

在学中に司法試験に受かったとか、仲間と会社を始めたとか、そんな同級生に囲まれていました。

私は頭がいいわけでもない、親がお金持ちでもない。何の取り柄もなく、本当にただの田舎者。コミュ障で人と話すのが苦手、社交性もない。

そんな自分を変えたかった。お金を稼いで、自分もやればできると自信を持ちたかった。

みなさんも今の自分のままじゃダメだ、変わらなくちゃと思ったことはありませんか?

それが20歳の頃、雑誌広告代理店の完全歩合制営業に応募した理由でした。

「心のダークサイド」の引力に抗えず、勢いまかせに、当時学生だった私はフリーランスになったわけです。

もしあなたがいつも冷静で自律していて賢く、合理的に物事を考える人なら、私のような欲望丸出しのカッコ悪い理由で、独立しようなんて考えないかもしれません。

でも逆に、性格が裏目になり、あれこれ考えすぎて身動きが取れなくなっているなら、本能や勢いまかせに独立起業するのも悪くはないかもしれませんよ。

たった一度の人生、別に一貫性がなくても、正解不正解など気にせず、自分の生きたいように生きればいいんじゃないでしょうか?

結局、理由や動機がなんであれ、自分でやってみないことには、成功も失敗も、学びも経験もありません。

現実を変えていくには、それが何であれ、自分で決めて行動する以外に方法はないですからね。