『逆説の採用戦略』人材獲得競争時代の"戦わない採用"は、教育とリファラルの2つが鍵。

「人生100年時代」と言われるなかで、社会人の学び直しに注目が集まっていますね。

総合人材サービスのパソナグループによれば、終身雇用が難しくなり、多様な働き方が拡大する中で、リモートワークの定着により生じるスキマ時間で、新しいスキルを身につけたり、資格を取得したりする動きが広がっているとのこと。

日経MJの記事によれば、パソナは語学や会計知識などを学べる講座や資格取得をサポートする事業を昨年から開始しました。

パソナの担当者曰く、「日本は終身雇用の環境があり、欧米諸国に比べて学び直しに対する意識が低い。」「40代を中心に将来のキャリアプランを描けない人が多く、第三者としての支援を手厚くしたい。」とサービスへの想いを強調しています。

パソナでは学習や進路相談ができる専門アドバイザーが付き、面談を通じてスキルアップや転職などの将来のライフプランを設計までしてくれるそうです。

◾️採用の鍵は『教育』にあり

これは、7年前から私たちが開発し、クライアントへ提供している『アカデミーメソッド』にも通じる仕組みです。

アカデミーメソッドは、採用戦略の一種で、企業が良い人材を採用するために、まずはフロントに教育講座や会員制勉強会など有料商品・サブスクモデルを配置し、集客・販売するという戦略です。

お金を払って採用するのではなく、お金を稼ぎながら採用することができます。

さらに、自分のキャリアUP・スキルUPを真剣に考え、自腹をきって自己教育に投資をするような前のめりな人材が集まり、その中から自社へ引っ張り上げようという仕組みです。

自社に成長できる環境があることを仕組みで証明できるメリットもあります。

また採用する企業側も、教育の場を通じて、少し時間軸を長めに相手を知る時間が生まれるので、ミスマッチによる短期退職リスクも回避することができます。

アカデミーメソッドは、エンジニアやデータサイエンティストをはじめ、専門性の高い職種の募集でうまく機能しています。

私たちがセールスライターやマーケター人材を確保するために『MARKETING GEAR(マーケティング・ギア)』を運営しているのも同じ理由です。

しかし一方では、アカデミーメソッドの仕組みをゼロから設計・構築・運用できる専任マーケターがいないと、なかなか成立しないのが難点です。

小さな会社なら、もはや社長案件。でもだからこそ、競争優位性が確立できるとも言えますね。

◾️自社内の『教育価値』を探そう

パソナにとってのリカレント教育支援サービスは、人材紹介・派遣事業における人材獲得マーケ上のフロントエンド商品、他社との差別化やPR戦略の一貫です。

同時に、人材をただ右から左へ横流しするだけでは差別化できない、生き残っていけないので、付加価値をつけて高く売りたい狙いですね。

要するに、「社会人の皆さん、いまのままじゃ市場価値が低くて、企業側に高く売れませんよ。我々の単価や利幅も伸びないので、せめてもうちょっと勉強してもらっていいですか?」という意味ですね笑

人材紹介・派遣のマーケットに限らず、日本総人手不足は今後も一層加速していくばかりなので、求人媒体などで他社と取り合いするばかりでなく、「教育」を絡めるのは重要な視点だと思います。