社内のDX改革について9割が不安視?DiSC理論に学ぶ、社長・起業家の組織を動かすマインドセット。
「DiSC理論」をご存じですか?人の行動傾向を4タイプに分類することで、採用や組織づくり、チームマネジメントを円滑にする目的で使われる理論です。
「D」=主導型、「i」=感化型、「S」=安定型、「C」=慎重型の4タイプです。
主導型(Dominance)の人は、他人からコントロールされることを嫌がり、自分で仕切りたがる傾向があります。意思決定が速く、自分なりのやり方で結果を出そうとし、人に対して言いたいことをはっきり言います。一方で、ルールや細かいこと、全体のチームワークにはあまり関心がありません。
感化型(Influence)の人は、社交的で人と接することを好みます。感情表現が豊かで、周囲を明るくする力を持っています。その反面、緻密さに欠け、仕事の成果や人に対して厳しさに欠ける傾向があります。
安定型(Steadiness)の人は、安定した状況を好み、変化を嫌う傾向があるため、慣れ親しんだ従来のやり方で成果をあげようとします。そのため、新商品や新企画、新規開拓など「新しいもの」への適応は遅くなりがちです。自ら決断し、行動するという積極性には欠けますが、チームワークを大切にし、協調性があり、人に対してとても協力的です。
慎重型(Conscientiousness)の人は、人がどう感じているかということよりも、データや資料などの「事実」を重視します。物事を分析的、論理的に考える傾向があり、納得するまで細部にもこだわります。自分が考えたやり方や組み立てなどに批判が加えられることに対して防御的になりがちです。
なぜ、DiSC理論を取り上げたのかというと、社内のDX改革について9割が不安視しているという調査結果が出たからです。
電通が2021年12月に実施した、大中小の様々な規模の企業に所属する1,000名にweb調査によれば、「目の前の業務とのバランスが取れなくなる」「いまの仕事のペースが壊れそうに感じる・壊れた」など、何らかの不安を感じている人が87.8%とのこと。
全体の75.3%は自社のDX改革の必要性を認知していますが、同時に不安感も大きいということでしょうか。
一般的に、社長や起業家にはDタイプが多く、社員の皆さんにはiSCタイプが多いように感じます。あなたは何タイプだと思いますか?
トップが号令をかけても、社員に理解されない、協力が得られない、場合によっては群れになって反発してくるようなケースもあるでしょう。丁寧に説明や対話をしても、どうも話が通じないとストレスを感じることもあるでしょう。
私たち中小ビジネスでは、社長が何か新しいことをやろうとすれば、「また社長が変わったことを言い出した...」と言われるでしょう。これは、避けられないと思います。
仮に、社内に変化を不安視する声が多くても、会社の未来のために何か新しいチャレンジをしなければならないと信じて確信があるのなら、どれほど反対があろうとも断行すべきだと私は思います。全員から満場一致で賛同を得ないと、会社やビジネスが動かないなんて、そんな悠長なこと言っていたら潰れますからね。
しかし同時に、社員の皆さんからの理解や協力を得るために、すぐには伝わらなくとも、10回でも100回でも1000回でも諦めずに伝え続けるしぶとさが必要です。
さらに、大きな変化を断行するほど、1年や2年、3年はうまく機能しなかったり、ミスが増えたり、混乱があったりする時期も当然あるということを織り込んでおかなくてはいけませんね。
号令をかければ、サクッと器用に次の日から切り替えられる人ばかりじゃありませんから。
Dタイプである私たち中小ビジネスの社長は、断固たる思いで変化や成長を推進します。現場がついてこないから断念するなんてことはあり得ませんね。
しかし一方で、実現までの道のりには紆余曲折がある、時間がかかることもある、ということをわかっておきましょう。成功は一直線ではない、蛇行ありきですから。