Diptyque(ディプティック)の真似をしてはいけない?社長のための長期安定成長ビジネスのつくり方

今日の話は、ちょっと抽象的な概念ですが、長期安定成長ビジネスをつくるには重要な考え方なのでシェアしたいと思います。

最近、物販の広告クリエイティブを調査研究しています。イタリアのミラノ・ホーミで出会ったフレグランスの欧州TOPメーカーと独占販売契約を締結したことをきっかけに、高級インテリア雑貨の輸入販売という新たな事業を立ち上げるためです。

自社でもクライアント支援でも、ここ数年は教育やコンテンツ、無形サービス、BtoBがメインでした。そのため、改めて物販のマーケティングや広報PRについてリサーチしています。

取り扱う商品サービスが何であれ、想定顧客が誰であれ、私たちにとって事業ブランドをつくるというのは「メディアをつくる」という感覚に近いです。

ごく一般的な捉え方では、ブランドとは特定の商品と紐付くような気がしませんか?たとえば、フランス・パリ発のDiptyque(ディプティック)はいかがでしょうか。

私の妻はDiptyqueのキャンドルが大好きで、海外出張時には路面店やDFSで限定デザインを見つけるとすぐに買っちゃいます。うちの自宅にもいくつか置いてありますよ。Diptyqueには、日本での定番商品だけでなく、様々なコレクションや商品バリエーションがあります。

でも、Diptyqueは、あくまでDiptyqueであり、Diptyqueという「カリスマ」に依存するモデルです。Diptyqueのように大成功することは容易ではありませんし、次々と商品を企画開発することも、長期的に成功し続けることも至難の技です。

Diptyqueはいかに卓越しているとは言えど、Diptyqueから逸脱することはできません。そして、他にも素晴らしいブランド商品や選択肢は無数に存在します。今後も美しく先進的で新しいものは次々と出てくるでしょう。

しかし、いかに素晴らしい商品、デザインが素敵な商品であっても、だからと言って売れるわけではありません。いかにメディアで取り上げられたとしても、その商品が売れ続けるわけではありません。

どんな商品にもプロダクトライフサイクルがあるように、栄枯盛衰はあるものです。むしろ商品寿命の短命化に悩んでいる社長、商品企画担当の方は結構多いんじゃないでしょうか。

だからこそ、私たちは「メディアをつくる」ように事業ブランドをつくります。

それはある意味、芸能プロダクションのようなもの。一人ひとりは才能ある俳優やタレント、芸人に違いありません。契約を結ぶ時には「この人は売れる、この人は面白い、この人はスゴイ」と心を動かされるほどです。

しかし、だからと言って全員が必ず売れるわけではありません。そして何年も何十年も、売れ続ける人は本当にごく一部ですよね。

「メディアをつくる」とは、顧客の方を向いてビジネスをすることです。顧客も社会も市場も、徐々に、時には急激に変化します。その変化に合わせて、メディアは届ける情報や商品サービスを変えます。

メディア自体のコンセプト、ミッションそのものを見直すことすらあり得ます。なぜなら、ビジネスの中心は顧客や読者であるとわかっているからです。

私たちは、フレグランスの欧州TOPメーカーと独占販売契約を締結しました。彼らの品質やデザインは一流であり、世界中で支持されている唯一無二な存在です。日本初上陸でお客様にご紹介できることが本当に楽しみで仕方ありません。

でも、私たちの新たな事業ブランドにとって、最も重要なことは、日本のお客様の期待に応えること、お客様に喜んでいただくこと、お客様に価値を届けることです。取り扱う商品そのものは、お客様に届ける価値の一つの形態に過ぎません。

仮にテストマーケティング、テストセールスを通じて商品が満足に売れなかったとしても、その経験からお客様が何を望んでいるのか、なぜ届かなかったのかを現場でよりリアルに知るきっかけになりますので、私たちの事業ブランドづくりにとっては間違いなくプラスのアクションになるということです。

あなたはご自身のビジネスにおいて、商品に恋していますか?それとも顧客に恋していますか?

PROFIT ENGINEであなたに伝えているビジネスモデルや売れる仕組み戦略とは、いつでも中心にいるのは顧客であり、商品サービスそのものではないことを頭の片隅に記憶しておいてください。