「人材採用に最もお金をかける者が市場を制する」の本当の意味とは?

今年1月からご縁をいただいている東証プライム上場の超大手人材サービス企業。

社員数1万人超、グループ年商3,200億円以上のでっかい会社です。

最近は、企業向けの福利厚生サービス事業を売却し、巨額の利益を手に入れたところです。

「その使い道の1つとして理系・IT人材の採用に集中投資したい。採用戦略や仕組みをゼロから設計・構築したいので、村上さんにも顧問で入ってほしい。」とのご依頼をいただきました。

このクライアントは、DX人材育成研修を提供する新規事業部門をご支援し、数字を伸ばしてきましたが、いまグループ各所から相談・依頼が舞い込んでいます。

立派な経歴や肩書きの持ち主、雲の上のような成功者の方々が世の中には大勢いる中で、私たちを重用していただけるご縁に感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、採用戦略や手法について、いまの日本企業で何も悩みや課題がないという会社は、極めて少数派でしょう。

私たちはビジネスモデルや売れる仕組みの設計・構築・運用を主領域としていますが、戦略の本質やパターンは、人材採用についても同様のため、積極提案しており、ここ数年で急増しているご相談・ご依頼にお応えしています。

今回のクライアントのように採用戦略立案の最上流から入ることもあれば、スカウト配信代行やIndeed運用代行のような現場実務の一部を請け負うケースもあります。

「顧客獲得に最もお金をかける者が市場を制する」の原則は、採用マーケティングにもあてはまります。

「人材獲得に最もお金をかける者が市場を制する」です。

しかし、多くの場合、わかりやすい格言フレーズは、間違って理解されているようです。

あなたも「結局、広告宣伝にお金をかけろっていうこと?」「資金力がないと勝ち目はないって話?」と捉えていないでしょうか。

もしそうなら、大手強者の存在するマーケットでは、私たち中小企業やスモールビジネスには勝機なんか残されていないことになりますよね。

でも結論、そうではありません。

詳しくは、『月刊売れる仕組み戦略レポート』5月号の売れる仕組み戦略ベーシック10、巻末解説コラムに書いたので、ぜひ読み込んでみてください。

今日のメルマガでは要点を2つだけ伝えますね。

1つは、「特定のターゲット顧客層に対してリーチし、反響やCV1件あたりの新規獲得単価を最もかけられる者が市場を制する」ということ。

もう1つは、「特定のターゲット顧客層に対してリーチできる特定のチャネル内において、最もお金をかける者が市場を制する」ということ。

簡単に言えば、大手強者とまったく同じ土俵でガチンコ勝負するなら、たいてい勝ち目はないかもしれません。

優秀で知識・経験・スキルのある自走型の人材が、中小企業やスモールビジネスに来てくれることなんて期待できないでしょう。

しかし、欲しい求職者を「絞り込む」「ズラす」とか、採用メッセージを発信する場所を「ズラす」「変える」ことによって、勝ち目はいくらでもあるというわけです。

私たちのクライアントのITエンジニア派遣会社が、小予算でも3年で1万人を超える人材獲得ができたのも、根本の考え方は同じです。

別の言い方で要約すれば、「ランチェスター戦略は、人材採用でも同じ」ということです。

今回の超大手人材サービス企業が、これから取り組む理系・IT人材の採用戦略や仕組みは、あまりに予算が巨額なため、採用市場の競争環境にかなり影響を及ぼすかもしれません。

私が注意すべきことは、予算の大きさがゆえに、戦略や仕組みの設計が”いかにも大手らしい”、大雑把なものにならないようにすることでしょうか。

後発参入であることに変わりはありませんので、いつも通り、求職者とチャネルを絞り込み、一気に攻めたいと思います。

あなたのビジネスでも、同業他社や隣近所と同じ求職者に、同じ場所で採用メッセージを投げかけていませんか?

「みんながやっているから」という理由で、求人サイト、人材紹介派遣、スカウト配信、Indeedなどを選択していませんか?

どのように「絞り込む」「ズラす」「変える」があり得そうか、ぜひ考えてみてください。