ファストリ柳井正氏、海外1兆円突破の秘密。事業戦略の方向性に迷った時の道標は「原体験」「根源的感情」から発想しよう。

ファーストリテイリング柳井正会長兼社長。

著書『一勝九敗』との出会いは、もう15年くらい前のこと。

当時すでに大成功するアパレル製造小売業の代表として、柳井氏は日本の経済界で誰もが知る存在でした。

2022年8月期には2期連続で最高益を更新、海外のユニクロは売上1兆円を超えて、国内を大きく上回りました。

そして今、時価総額と売上で世界1位であるスペインのZARAを抜き、日本NO.1から世界NO.1を目指して躍進を続けています。

事業の躍進はもちろんですが、経営者・柳井正氏の根源には何があるのでしょうか。

飽くなき成長欲求の根源はどこにあるのでしょうか。

◾️柳井氏、100日間の世界一周旅

山口県宇部市という炭鉱町で先代から継承した服飾店。

ちょっと失礼な言い方ですが、ファッションの要素をほぼ感じさせない土地柄です。

米国文化のヴァンヂャケット(VAN)ショップを経営し、柳井氏自身も米国の若者の考え方や文化に興味を持っていました。

柳井正氏は大学1年の時、1人で船に乗って100日間の世界一周旅をしました。想像以上の世界を見て、感じたと言います。

そして「いつか世界を相手に商売できたらいいな」と学生ながらに思いを巡らせたそうです。

◾️あなたの「根源」はどこにあるか

ビジネスやマーケティングというと、何か小難しく頭でっかちになりがちではありませんか?

経営の教科書、MBAで学ぶような経営理論や分析フレームワークでてんこ盛り。

なんだか、ものすごく勉強して知識を詰め込んで、ものすごく頭が良くならないとビジネスは成立しないんじゃないか、成功できないんじゃないかと感じたことはありませんか?

もちろん学ぶことは必要ですよ。死ぬまでずっと、です。

でも、私たちの根源には、「好き」という気持ち、「ワクワク」という感情がありませんか?

そして、ビジネスの現場、経営の現場で日々戦いをくり広げていると、つい根源にある感情や気持ち、動機、目的を見失いがちではありませんか?

あなたが今のビジネス、今の仕事をやっている理由はなんでしょう。

きっと「儲かるから」「稼げるから」が第一ではないですよね?

自分が体験した好きやワクワク、感動を誰かに伝えたい、届けたい。そして、喜んでもらいたい。そんな理由があるんじゃないかと思います。

◾️あなたとビジネスを動かす「原体験」

ファストリが海外へ積極展開しているのは、なぜでしょうか?儲かるから?チャンスがあるから?理念やビジョンがあるから?もちろん、そうでしょう。

でも、それらの根源にあるものは何でしょうか。

もしかしたら、柳井氏自身が世界一周旅に出て、「世界はすごい、おもしろい」「世界を相手に商売ができたら...」という感情や体験に原点があるのかもしれません。

PROFIT ENGINEのメインテーマ「社員数・働く時間を最小化、利益を最大化する売れる仕組みをつくる戦略と技術」も同じです。

私は現在39歳、自社やクライアントの売れる仕組みづくりを19年ずっと探求してきました。

社員メンバー2-3名のチームで、数億円サイズの事業ブランドを立ち上げたり、再構築したりと取り組んできました。

PROFIT ENGINEの原点は、20歳の時に出会った、雑誌広告代理店で完全歩合制営業です。

年商4千万円だった事業部を1年で4億円にまで伸ばしました。「ビジネスはおもしろい」「売れるって楽しい」その成功体験が、今の私やビジネスに通じています。

あなたとビジネスを動かす「原体験」はどこにあるのでしょうか。結構、事業戦略の方向性を決める指針になりますよ。