【逆張りのビジネス戦略】なぜスキンケア通販会社は定期継続率95%超えになったか。大多数を観察して、その逆を試してみる意味とは。

私は事業改善の打ち手に悩んだ時、固定観念や思考のリミッターを取っ払うための、いくつかの指針を持っています。

その一つは、、「競合や世の中に存在する大多数がやっていることを観察して、その逆をやってみる」という方法です。

たとえば、大多数の企業が「WEBだ、デジタルだ」という方向に走っているなら、逆に自社ではアナログやオフラインで攻める。

メルマガやLINEでの効率的なコミュニケーションが主流なら、逆に自社ではニュースレターやダイレクトメールを印刷・郵送する。

値引き合戦や安さアピールばかりなら、逆に自社では最高値を打ち出してみる。

オンラインでの商談や打合せ、電話やメール連絡ばかりなら、逆に自社では直接顧客へ会いに行って対話をする。

マーケティングツールを活用しての自動化や効率化がトレンドなら、逆に自社では属人的で非効率な方法を試してみる。

電子書籍で自由に出版ができる時代なら、逆に自社では出版社経由で紙の本を書店で売ってみる。

■待っていても「他との違い」は誰も与えてくれない

ビジネスとは、隣近所の競合他社との違いを明確にしなければ、市場や顧客から見た存在意義はありません。

他と同じような商品サービスで、他と同じような価格や契約条件で、他と同じような販売チャネルや営業方法で、他と同じようなセールスメッセージで、いったい誰が振り向いてくれるというのでしょうか。

同じで良いのなら、大手企業や有名ブランドをみんな買えばいいわけですよね。

でも、それでは決して満たされない市場の不満やニーズが何かしら必ずあるものです。私たちはいつもそれを探そうとしています。

隠れた顧客の要望に応えられないだろうか、ビジネスチャンスはないだろうかと。

しかし、市場調査や顧客リサーチを熱心に取り組んでも、なかなかヒントや突破口が見出せない場合もあります。煮詰まってしまい、もう打ち手がないような錯覚に陥ることもあるでしょう。

そんな時、私は大多数がやっている事を観察して、その逆を試してみることがあります。

■「顧客との関係性」こそ、全ビジネス共通の資産である

私たちのクライアントであるスキンケア通販会社では、大多数の通販ビジネスが陥っている仕組み構築の発想の逆を攻めました。

広告宣伝から販売促進、顧客とのコミュニケーションまで、数字を細かく計測管理しながら、なんでもかんでも機械的な仕組みに仕立て上げたがるという発想を感じたのです。

もちろん、大多数が行っている一般的なやり方がうまく行っているなら、自社でも踏襲すれば良いかもしれません。

しかし、私は通販業界の会社が、広告市場の競争激化による新規獲得コストの高騰、顧客維持率の低下傾向にビジネスとして採算が合わなくなってきていることを知っていました。

その結果、消費者を小馬鹿にしたようなWeb上の誇大広告で無理に釣ろうとしたり、申込規約にこっそりと”○ヶ月縛り”の記載をして騙すような売り方をしたり。

あるいは、解約や返品返金の手続きを複雑で難しくすることで抑止しようとしたりと、ほとんどブラックか違法かと思えるような通販会社さえも出てくるほどになりました。

そして、消費者庁にクレームが殺到し、Web広告への信憑性はますます地に落ちていっていたのです。

このような間違いの根源はどこにあるのか。

それは、通販ビジネスを単なる金儲けの手段としてしか考えていない連中の悪行に他ならないという見方もできます。

それに加えて、合理的で機械的な仕組み思考に偏りすぎていて、「顧客との関係性」こそがビジネスにおける最大の資産であるという視点が欠落していることに問題があるとも考えられます。

■スキンケア通販会社が毎日ライブ配信で定期継続95%超

だから、私は経済合理性や数字至上主義による仕組みづくりや、システムから自動配信される機械的コミュニケーションを一度すっきりと忘れてみようと考えたのです。

そして、顧客との関係を構築し、維持するために何でもできるとするならば、考えつく限り、最も効果的な方法は何だろうかと発想しました。

こうして生まれたのが、毎日ライブ配信をして、顧客と時間や体験を共にするという方法です。

もちろん、日本全国や世界を見渡せば、通販ビジネスにおいてライブ配信を活用しているケースなど山ほどあるでしょう。でも、大多数の通販会社はどうかというと、案外そうではなかった。

Instagramでライブ配信をするという行為が、自社のビジネスに関係がある、自社でもできる顧客コミュニケーション法だとは認識していなかったのです。

■隣近所との横並びに安心せず、違いや変化をつくり出す

  • 大多数がやらないからこそ、自社がやる価値がある
  • 他ではやっていないから、自社がやれば顧客は”違う”と認識する

日本企業は隣近所を見て、同じこと真似しようとしがちです。それが功を奏する場合もあります。

でも、どんどん激しくなる市場競争に生き残り続けるには、自ら違いや変化を取り入れたり、作り出していくしか道はないと私は感じています。

安全や安心、保証を求めるのは、もうやめましょう。

煮詰まったときは、ありきたりや平凡、常識、普通、横並びな思考にさよならを告げて、同業他社の大多数がやっている逆を攻めましょう。

他との違い、選ばれる理由、顧客との関係性を繋ぐ仕組みは、待っていても誰かが与えてくれることはありません。

戦略的に、意図してやる。そして、やると決めたら、徹底してやりきる。90日お試しでやりきって、見込みがあればさらに続け、見込みがなさそうならスパッとやめる。

手前味噌ですが、私たちが『月刊売れる仕組み戦略レポート』『売れる仕組み戦略会議』を毎月や毎週お届けしているのは、なぜか。

皆さんのビジネスを10%20%の改善ではなく、2倍3倍5倍と事業成長ステージをギアチェンジすることを目指しているからです。

「大多数との違いをつくる戦略」
「労働集約に依存しない売れる仕組み」

私たち自身やクライアントの生々しい事例とともに、毎月や毎週、出版物や勉強会でシェアしているのは、そういうわけです。

絶対的な正解など存在しない世界で、小手先のテクニックや流行トレンドに振り回されず、皆さまにとって少しでも確かな経営の道標となりたい。

そのために、今後もがんばっていきたいと思います。

▼オススメ▼
中小企業・新規事業が「逆張りのビジネス戦略」を実践し、事業成長を加速させる10の方法はこちら