BtoBビジネスに最もよくある間違い。なぜ売りたい商品サービスを最初に売ってはいけないのか。

「売りたいものを最初に売らない」

これは、どんな業種でも取り入れることのできる売れる仕組み設計の基本です。そして、私たちがクライアントとご縁をいただいた最初の段階で、よくアドバイスすることでもあります。

いわゆる、フロントエンド・バックエンドの2段階を踏むマーケティングプロセスの組み方です。

◾️フロントエンド・バックエンドとは

フロントエンド商品とは、集客や顧客獲得を目的とする無料・低価格な商品のことです。

無料で見込客を集めるPDFレポートやミニ動画、Webセミナーなどは、リードマグネットとも呼ばれますね。

バックエンド商品とは、最終的にあなたが売りたい商品であり、高単価・高粗利でビジネス上の儲けを生む商品のことです。

いきなり売りたい商品、バックエンド商品を売る方法しか持っていないと、いつも「今すぐ客」を追いかける営業スタイルになりがちです。

「今すぐ客」は、すでに何かしら問題意識があり、解決欲求もあり、1日も早く解消したい緊急性もある人や企業です。

「今すぐ客」は、競合他社もみながこぞってアプローチしたがるターゲットです。相見積もりや検討比較、値引き要求にもなりがちです。

◾️いきなり売りたいものを売るな

私たちのクライアントでも、「営業には自信があるが、マーケティングはあまりわからない」という会社は、最終的に売りたいものをストレートに最初から売ろうとしている会社が多数派です。

その代表格は、テレアポや飛込訪問でしょう。

もちろんヒアリングを重視するなど工夫するのですが、どうしても売り込み色の露骨な営業、押しかけ営業になりがちではありませんか?

Googleリスティング広告でも、今すぐ客が欲しいので、キーワードを厳選して出稿しがちです。

競合他社もみな同じことを考えています。CV獲得単価も高騰しがちです。

PROFIT ENGINEの読者の皆さんは、勉強熱心な方が非常に多いので、フロントエンド・バックエンドの話はすでに知っているでしょう。

大切なのは、自社にどのように応用するか。最近の私たちのクライアントでの成功事例を挙げてみますね。

◾️財務コンサル会社のケース

財務コンサル会社では、主に節税を目的とする法人向け保険商品が、最終的に売りたいものでした。

そのために会場集合セミナーやWebセミナーを開催して、個別面談から財務診断、コンサル受注、保険商品の販売へというプロセスでした。

セミナー集客はフロントエンドとして機能していましたが、さらに顧客基盤を広げたいという話になりました。

そこで現在では、『年商5億円を目指す社長の節税戦略』という動画講座を制作し、Facebook広告やYouTube広告を活用して、19,800円で販売しています。

◾️保険代理店のケース

保険代理店では、もちろん生命保険や医療保険を販売するのが最終目的です。

結婚前後の夫婦・カップル向けにマネーセミナーを開催して、複数回の個別面談を経て、保険契約へというプロセスでした。

講師力・商談力の非常に高い方なので、Instagram広告をうまく運用するだけで、フロントエンドのマネーセミナーは満員御礼になりました。

さらに現在では、『失敗・後悔しない!結婚1年目のお金の教科書』という本を執筆し、Instagram広告やYouTube広告を活用して、550円税込のワンコイン価格で販売しています。

◾️求人広告代理店のケース

求人広告代理店では、求人広告や採用支援サービスを販売するのが最終目的です。

テレアポで新規商談の機会を作り、営業が訪問やオンライン商談で受注するという、営業会社によくあるスタイルです。

しかし、人海戦術の営業スタイルから脱却したいという想いもあり、テレアポではなく売れる仕組みを構築していきたいという依頼でした。

そこで現在では、『中小企業の採用戦略を学ぶ定例勉強会』を参加費3,000円、オンラインで毎月開催しています。

◾️知識をプロダクト化しよう

財務コンサル会社、保険代理店、求人広告代理店の例を挙げました。

共通することは、専門知識や経験、ノウハウ、事例などをプロダクト化していることです。

本は一冊あたりものすごく安く作れますし、動画講座はほとんどタダですよね。オンライン勉強会も原価はかかりません。

一度作れば、何人でも何十人でも何百人でも提供できます。

なおかつ、無料ではなく、低価格でも有料にすることで、より質の高いホットな顧客が集まりやすくなり、バックエンドへも引き上がりやすくなります。

フロントエンド・バックエンドの2段階プロセスは、アイデア発想次第で、いろいろに試せますので、取り入れてみてくださいね。