業績が伸び悩んだ時に最初にやること。過去に蓄積してきた資産や資源、強み、パターンを軽視してはいけない。

一昨日、大手上場企業向けに人材育成研修を提供されている会社への新規コンサル・セッションがありました。

社員10名前後で運営。約500名の講師を業務委託で確保しており、一社一社にあわせてオーダーメイドな研修プログラムを組んで提供されています。

つまり、この会社がやることは、営業のみ。企画営業というか、コンサル営業というか。新規開拓活動では、テレアポがほぼすべて。

コロナ禍になる以前は、飛込訪問もやっていたそうです。

テレアポや飛込で上場企業クラスを続々と開拓してきたんですから、すごい営業力ですよね。

ただ、最近数年は業績が伸び悩んでいたそうです。

テレアポや飛込の一辺倒では、社員の離退職が激しいのは以前から変わらずですが、コロナの影響なのか、売れる切り口が見い出せなくなってなってきたのか、うまくいっていないとのこと。

◾️営業が強い会社によくあるケース

ホームページ改修やホワイトペーパー制作、SEOを意識した記事コンテンツ生成などの方法で、Webからのリード獲得を図りたいと工夫はしています。

しかし、アクセス数は月3,500PVほどあるそうですが、資料請求はほぼなく、成果らしい成果には繋がっていません。

「広告宣伝にかけられる予算は?」と聞くと、「月ひと桁万円で抑えたい」と。

広告宣伝には、あまりお金をかけたこともなく、今後もかける意向はないとのお話でした。

一方では、営業社員を雇うための求人媒体には数十万円を支払い、年間400万円や500万円かかる人件費を払って営業社員を雇用しています。

さて、あなたなら、どうしますか?

これは、営業力を武器に独立起業した社長、営業社員によるテレアポや飛込で売上をつくってきた会社によくあるケースです。

◾️すでに持っている資産を生かす

思考の鉄則は、いまはまだ影も形もないもの・持っていないものではなく、すでに持っている資産や資源、強み、パターンを最大限に生かすことを考えるのが先です。

この会社がすでに持っているものは何でしょうか。

・テレマーケティングでの売り方
・コンサルティングセールスの型
・営業社員の応募獲得や面接のやり方
・月3,500PVのオウンドメディア
・メディア投稿した記事コンテンツ
・約500名の業務委託講師たち
・現在や過去の顧客クライアント

たとえば、上記が挙げられるでしょう。そして、すでに持っている資産や資源、強み、パターンをもっと生かす手立てはないか、もっと成果を最大化する工夫はないかと発想します。

◾️テレマーケを私信風DMへ応用する

例を挙げると、テレマーケティングでのアポ獲得しやすいトークスクリプトや切り口があるはず。

それをもとに、売れる仕組み戦略レポート2022年9月号で解説した「私信風DM」の原稿作成に応用できます。

テレアポなら社員数や働く時間が必要ですが、私信風DMならば何百通や何千通を送っても、かかる工数はほぼ変わりません。

売れるアポ獲得トークを人が話すのか、手紙が語るのか。その違いだけです。

◾️記事をニュースレターDMへ応用する

また、オウンドメディアに投稿している記事コンテンツを流用・再編集すれば、売れる仕組み戦略レポート2023年1月号で解説した「ニュースレターDM」の原稿作成に応用できます。

ニッチ市場やターゲット層が限定的な場合に、同じ宛先へくり返しアプローチするのにニュースレターDMは抜群の効果を発揮してくれます。

ただweb上に記事UPして待っているだけでは、なかなか閲覧してもらえませんが、ニュースレターDMならば、ターゲット決裁者の手元に高確率で届きます。

◾️アクセスからのCV誘導を最適化する

月3,500PVのオウンドメディアからの資料請求数がほぼゼロというのも気になります。

決して多くはありませんが、せっかく3,500回もアクセスがあるのですから、10-20件くらいは資料請求CVがあってもおかしくありません。

あまりwebが得意な会社ではなく、オウンドメディアの構造やCVへの導線がない状態でした。そりゃCV発生しませんよね。

各記事へのアクセスユーザーに対する次ステップをわかりやすく目立つようにする工夫は、すぐにできるアクションです。

なお、SEOを意識した記事コンテンツ生成について、単なるお役立ち情報まとめは、他社や他メディアがいくらでも出しています。

アクセスを集める記事、CVを獲得する記事の2つを区別し、CV獲得に直結する記事をつくるのは、オウンドメディアからの成果を改善するポイントです。

◾️既存顧客への追加提案を仕組み化する

昨日や今日始まった会社ではありませんから、現在や過去の顧客クライアントはすでにいます。

大手上場企業を何社もクライアントに持っています。

彼らにEメールや郵送レターで、他のおすすめ商品サービスのご提案をするだけで、既存顧客へのクロスセル、アップセルから利益UPが見込めるでしょう。

約500名の業務委託講師を抱えており、人材育成や組織づくりニーズに応えられるのも強みです。かなり幅広い切り口から次々の新提案を持ち込めるはずです。

毎週1回、Eメールで新しい提案をすることを営業ルーティンにしてみるのは、お金をかけずにすぐにできるアクションです。

売れる仕組み戦略レポート特別版『すでにある顧客資産価値を最大化して、ビジネス成長速度をギアチェンジする方法』でも解説しましたが、最も基本となるアクションです。

◾️本当の資産価値に気づいていない

私見ですが、多くの会社は自社のすでに持っている資産が何か、どう生かせるのか、その可能性に気づいていません。

すでに目の前にある資産活用の打ち手が、まるで見えていないかのように、個別の打ち手をバラバラに捉えているような感じです。

でも、それではあまりにももったいないと思いませんか?

ビジネスや売れる仕組みにおける、あらゆる活動や蓄積は互いに連関しています。あなた自身や会社がこれまでに蓄積してきた資産や資源、強み、パターンを軽視してはいけません。

「チャンスはもうあなたの手の中にあるじゃないですか?」一昨日のコンサル・セッションでは、そんなことを伝えました。

あなたのビジネスにも参考になれば嬉しいです。