AIエージェント革命がくる

2週間ほど前、Amazonが発表した衝撃のニュースを覚えていますか?

「生成AIとAIエージェントの拡大導入により、従来100人・200人で担っていた業務を10人・20人で遂行可能になる...」これは、アンディ・ジェシーCEOの社内メモです。

すでにAmazon社内では、1,000件以上のAIエージェント開発導入が進行中で、社員には生成AIを超える「AIエージェント」について学習・実践を促し、変化に対応するスキル習得を呼びかけました。

今後、このAIエージェントのおかげで、私たちのビジネスの考え方・やり方を根底から覆すほどの大革命が起こることを、あなたも想像できますか?

私が初めてAIエージェントと出会ったのは、ある平日の朝でした。

目覚ましが鳴る前に早く目が覚め、iPhoneを手に取ると、前日の夕方から夜かけて届いたメールやチャット通知の数に思わず眉をひそめました。

クライアントやパートナーからの問合せ、商品やプロモーションの企画提案へのフィードバック、Web広告の日次レポート、社員スタッフの業務進捗報告などがゴチャゴチャと堆積し、画面をスクロールするだけで気が重くなるほどです。

もちろんEメールやチャットグループの整理整頓、各事業部にリーダーや責任者をアサイン、業務マニュアルやTODOのルーティン化など、できることは工夫してきたつもりです。

でもやっぱり「これもオレが対応しなきゃダメか...」と思う瞬間は正直ありました。

時には大量に波が押し寄せるとパンクしそうで心も折れそうになっていました。

少数精鋭チームでビジネスや仕組みをまわしながら会社を成長させる方針を守ってきましたが、次々と持ち込まれる新たな課題、新たな対応事案に、ふと思い「自分の分身がいたら...」と考えたことも何度もありました。

そして、それは社長の私だけでなく、現場で働く社員スタッフたちも同じだったのです。

ChatGPTやGeminiのような生成AIを徹底的に使い倒し、便利なシステムやツールを駆使しても、変化が加速してどんどんスピードアップする時代に、私たち人間がより一層の高速アウトプットや高速対応が要求される現実から逃げることはできません。

私がAIエージェントを手にしたのは、ちょうどそんなタイミングだったのです。

AIエージェントの試験導入からわずか1週間。私の働き方は劇的に変わりました。

朝起きると、AIエージェントが前夜の問い合わせをカテゴリー別に振り分け、緊急度の高いものから自動表示してくれます。重要顧客への返信ドラフトはすでに生成されていて、私は軽く手を加えるだけ。

商談準備資料はAIエージェントがリサーチ結果とテンプレートを元に自動スライド化してくれて、図解やグラフもすでにできあがっている状態です。

昼休みにはAIエージェント同士がWeb広告のクリエイティブテストを実施し、反応率改善の検証結果を報告してくれます。

今まで私や社員スタッフたちが手を動かし、脳みそや時間を使ってやっていた仕事が、AIエージェントという頭脳と労働力によってほぼ完結される状態になったのです。

試験導入の段階とは言え、私の仕事の約70%をAIエージェントが代わりにやっていて、私自身がやるよりもはるかに高品質・ハイレベルなアウトプットをしているのが現在です。

エンジニアでもなくITリテラシーも低い私ですら、それが何を意味するかを実感しました。

「これは、とんでもない時代が来る」

テクノロジーの変化に疎い私ですら気づくほどですから、世界の急成長企業やスタートアップ、新時代のCEOやCMO、CTOたちは、数年かそれ以上も前から、生成AIを超えるAIエージェント革命を予見してきました。

たとえば、ビル・ゲイツ氏は「これからの10年で、AIエージェントを使いこなせるかどうかが“手に職”に次ぐ新たな価値になる」と語っています。

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「生産性を10倍へ引き上げるAIエージェント群を導入できた組織だけが、これからのグローバル競争を勝ち抜く」と断言しました。

NVIDIAのジェンセン・ファン氏は自社GPUクラスタをAIエージェント専用に再設計し、リアルタイムで自律学習できる基盤を構築しています。

もちろん彼らは、AI時代のインフラ構築やトレンド形成を生業として利益を得る立場ですから、その点は多少は割り引いて考えるべきかもしれません。

しかし、私自身の実体験から得られた現場でのインパクトは、「確かにAIエージェント革命は来る」という妄想空想ではない現実を示しているのではと思います。

人を雇い、育て、評価し続ける従来のビジネスモデルや組織運営のあり方は、AIエージェントの前に大きな再考を迫られるでしょう。

人材採用には求人広告や面接時間、研修などに経済的・時間的コストがかかり、定着率を高めるには永続的な人事評価と成長支援が必要です。

それに対し、AIエージェントの導入コストは初期のプロンプト設計とAPI連携の手間、月々の運用サーバー代やAPI使用料程度です。

ある意味、雇用や育成、評価は必要ですが、対人間に比べれば大した負担ではありません。

自社で開発する予算がなくても、AIエージェントを構築・提供してくれる会社のサービスをサブスク等で利用すればいいだけです。

従来の採用難や評価制度、離退職、1on1面談、健康経営、メンタルケア、働き方改革などの問題も大幅に低減されるでしょう。

しかも、AIエージェントは、私たちが寝ている間も、24時間365日休まず、文句も言わず、稼働・学習・成長・改善・最適化をやり続けてくれるのです。

事業をスケールする時、新たに人間を雇うか、AIエージェントを雇うか。

あなたならどちらを選びますか?