新規事業で失敗する3つの原因とは?ひらめきの見切り発車と完璧主義に陥っていないか注意しよう
起業家タイプの社長は、次から次へと新規事業やビジネスチャンス、新商品サービスを思いつきますよね。会食や交流があるたびに「やりましょう!」とあれこれ増えがちです。
私たちがクライアントの売れる仕組みづくりをサポートするために、2年前にアライアンスを組んでいた営業会社があるのですが、その社長も同じでした。
今年秋に開催した『脱労働集約戦略会議2023』に役員・社員メンバーの皆さんと一緒に参加してくれたことがきっかけで、2年ぶりにアライアンスが復活することになりました。
それ自体は嬉しいのですが、相変わらず次から次へと新規事業やビジネスチャンスの話が尽きないんですよね笑
リクルートのご出身で営業力がもう本当にすごい。チャンスへの嗅覚がずば抜けているというか、お世辞抜きに天才的な人なので。
それでもだからと言って、新規事業が次々と成功するわけではありません。
新規事業で失敗する3つの原因をまとめたので、起業家タイプの社長はちょっと耳が痛いかもしれませんが、参考にしてみてください。
1つ目は、アイデアのひらめきを過信する
長い時間をかけて悩んでひらめいたアイデアには、価値があると思いたいですよね。
新商品や新サービスでも同様ですが、新規事業のアイデアとなると、日本や世界、社会全体、業界を変える可能性を秘めているかもしれないと興奮すら覚えるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。自分の頭の中でひらめいたアイデアは、あくまで妄想に過ぎません。
まずはきちんと言語化することから始めましょう。
つまり「誰向けに」「どんな問題解決を」「どんな方法で」提供するビジネスなのか。
すでにあなたがよく知っている身の回りの会社や人の中に、「まさにこの人のためのもの」と思えるような人物はいるでしょうか。仮説ベースでも確かなニーズが存在するという根拠はあるでしょうか。
2つ目は、完璧な商品をつくろうとする
顧客の問題解決ではなく、自分たちが作りたいものを作ってしまっていませんか?
よかれと思って高機能や完成度に磨きをかける一方で、時間をかけ過ぎていませんか?テストマーケティングやテストセールスの段階へ踏み込むのが遅くなっていませんか?
ショボい商品を世に出して、自分や自社の評判が悪くなったらどうしようと心配する気持ちはわかりますが、中小企業やスモールビジネスはスピードが生命線。新規事業も同じです。
さらに言えば、すでに手元にある顧客資産や経営資源を活用して素早く業績UPする『利益倍増戦略レポート』の中で「プレオーダー戦略」のセクションでも解説しましたが、そもそもテストマーケティングもしておらず、売れるか儲かるかどうかわからない新商品・新サービス・新規事業に、お金も時間も浪費している場合ではありません。
順番が逆です。つくる前に、まず売りましょう。
3つ目は、無意識のバイアスがかかる
自分のアイデアや取り組んでいることを認めてもらいたいですよね。「きっと売れるよ、成功するよ」と賛同してほしいですよね。
反対意見や別視点も大事だと頭ではわかっていても、感情や心理が自分に都合の悪い情報は無意識に排除してしまいがちです。
たとえば、顧客へのヒアリングをする場合でも、相手はNOとは言いにくいでしょう。
社内ミーティングでも、社長が「新規事業だ!」と言い出したら、社員スタッフの皆さんは反論はしにくいですよね。日本人ならばなおさら、否定的な意見を出しにくいでしょう。
しかも「こんな機能があったら使ってみたい、買いたいと思いませんか?」と問われたら、まぁそうですね、と答えたくなりますよね。
でも「買いたいと思う」「興味はある」ということと、実際に買う・お金を払う・契約申込をすることは、まったく別だということを忘れてはいけません。
新規事業の成功確率をあげる秘訣
新規事業の成功確率をあげる秘訣は、、
- 生身の人間との会話や購買行動から仮説を見つけること
- つくる前にまず売ること・試作品段階で売り始めること
- 消費者アンケートや社内検討よりも、テストマーケで市場や顧客に答えを教えてもらうこと
この3つです。ぜひ参考にしてみてください。